(仮称)ハイスクール神殺し

　

　Side：ズェピア


　はてさて、カンピオーネ！の(パンドラが管理する)世界に転生して幾許かの時が過ぎた。まあ、もう270000年以上経つのだがな。
　パンドラとアテナが居た空間で眠りに着いてから目を覚ますと森だった。まあ、よくあるシチュエーションであろう。


　目を覚ましてからまずワタシは自身の現状の確認をした。と言っても、情報が頭の中に流れ込んで来たんだか。それを確認して――後悔した。と言うか、驚愕した


　理由？ 頼んだ特典以外に、トンデモナイ物が色々着いて来たからだ。なんで、多量の気やら、リンカーコアやら、魔術回路やら、無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)やら、魔導精霊力(エーテリオン)やらその他諸々有るの？ まあ、どれも頼んだ物に縁の有る系統の物ばかりだし。無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)は一応魔術だし、魔力云々については何も言って無いから仕方無いけど、魔術回路が左半身と右半身にメイン回路175000本ずつ、サブ回路500000本ずつ。オーバーSのリンカーコア。この二つだけでもやり過ぎなのに、これに加えて魔導精霊力(エーテリオン)は流石にやり過ぎ通り越して加えちゃダメでしょォよ。
　あれだぞ？ 魔導精霊力(エーテリオン)ってFAIRY TAILの前作のRAVEに出てくる力で、「創造と破壊」の魔法と言われてる公式ドチートの力だよ？ 原作(RAVE)でこれ(エーテリオン)を持ってるエリーは危険だからって封印されてるんだよ？ ちょっとした感情の揺らぎでホンの少しだけ力が漏れたことがあったけど、そのホンの少しの漏れだけで大陸が割れそうになったんだよ？
　オーバーSのリンカーコアとか、魔力量だけならSts時の三大主人公の合計どころか、機動六課の全メンバーとジェイル一味の魔力プラスしても軽くこえるかも知れないよ？
　合計1350000本の魔術回路とか最早比べる対象がわからん。たしか、衛宮士郎の魔術回路の本数が27本だったから、50000倍か？ やり過ぎにもほどがある。
　あと膨大な気と魔力(ネギま！の設定のそれ)、量的には多分だがラカン三人分と世界樹位。

　魔力量カンストしてるよ。どれか一つだけでもカンストしてるのに、其れが四つとか。世界どころか宇宙消滅させれちゃうよ？ する気は更々無いけどね

　数十発のアルカンシェル、星座崩し(セーマ)、数百発の千の雷(キーリプル・アストラペー)、約束された勝利の剣(エクスカリバー)と天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)のフルパワーを同時に受けても何となしに張った障壁で防げる。
　まあ、やったことないし、やろうとも思わないが。


　話が逸れた。まあ、転生当初は自身の魔力量に驚いたが、スグに落ち着いた。神様の御好意(イタズラ)と割り切ったら落ち着けた。
　その後、数万年程は修行、食う、寝るの繰り返しをしていた。気が付いたら色々な作品の技や能力が使える様に成ってた。NARUTO、BLEACH、ドラゴンボール、ONE PIECE、ジョジョの奇妙な冒険、トリコ、とある魔術の禁書目録、とある科学の超電磁砲、刀語、物語シリーズ、真剣で私に恋しなさい!、君が主で執事が俺で、つよきす、ぬらりひょんの孫、ドラゴンクエスト、めだかボックス、神座万象シリーズ、シャーマンキング、灼眼のシャナ、エトセトラエトセトラエトセトラ。
　数万年生きれた訳？ ワタシにも分からん。食べられそうな野草食ってから老化が止まったような気がするが。まぁ、恐らくは神様達の御好意だろう。

　食料の蓄えが無くなった時、食料確保の為に森を彷徨いてたら、AUOと出会した。金髪紅眼の金ピカだった。出会した途端『人形風情が。我(オレ)の面貌を許可なく視界に収め、我が視界に入り込むその所業。罪万死に値する！』とか何とか言って来たと思ったらAUOの背後の空間から無数の武器が出現して飛んできた。やむ無く応戦するために雷霆の槍(ランサ・デル・レランパーゴ)を様子見で撃ち込んだらAUOも武器も消えていた。序でにAUOが立っていた近辺の地面や木々の消えていた、と言うか、抉れていた。雷霆の槍(ランサ・デル・レランパーゴ)の威力がバカ高いのを忘れてた。
　その直後、意識がブラックアウトしたと思ったら真っ白の空間にいて目の前にパンドラが居て、カンピオーネに成ったと聞かされた。どうもあのAUO、まつろわぬ神だったらしい。偉そうにしていたAUOを一瞬で消滅させてのが気に入ったのか、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)(中身付き)とスキルの幾らかを権能として付与してくれた。奉る王律の鍵(バヴ＝イル)や終末剣エンキとか旧アーチャーの宝具も付いて来るとは思わなかった。あとワタシが最初の神殺しの魔王(カンピオーネ)らしい。倒したの神じゃ無いけどね。ギルガメッシュってFateじゃ神性A＋らしいけど、実際は2/3神で残りの1/3人間だし。まあ、カンピオーネ！の原作にアーサー王とかランスロットとかグィネヴィアとかオデュッセウスとか孫悟空とか猪八戒とか沙悟浄とか、妖怪や英雄が出てるから別に不思議じゃ無いけど。

　カンピオーネに生った後は世界中を旅して回った。道中でエンカウントしたまつろわぬ神は取り敢えず倒して回った。売られた喧嘩を言い値で買ってるとも取れる行動だが、相手方が此方を殺しに掛かってくるのだから防衛するしか無い。途中で思ったのだが、エンカウントするまつろわぬ神は何故かFateにサーヴァントとして登場した者が多い。運命の鯖達を含め、270000有余年の歳月の中で神話を問わず、東西南北の多種多様なまつろわぬ神を滅した。ゼウス、ポセイドン、ハーデス、ワルキューレ、ヴァルキリー、オーディン、ロキ、ウルスラグナ、カルナ、インドラ、ヴリトラ、ヘラクレス、ヴラド三世、華陀、クロノス、スカサハ、クー・フーリン、ディルムッド・オディナ、アーサー・ペンドラゴン、ランスロット・デュ・ラック、ガウェイン、モルドレッド、メルカルト、ハサン・サッバーハ、阿修羅、シヴァ、ドラキュラ、ラー、ホルス、バステト、セクメト、セパ、アジ・ダハーカ、ウロボロス、エキドナ、バッカス、ラファエル、ウリエル、メタトロン、サリエル、ネロ・クラウディウス、ロムルス、エリザベート=バートリー、フランシス・ドレイク、呂布、関羽、李書文、ロビンフット、マクイルショチトル、パテカトル、チャルチウィトリクエ、ウェウェコヨトル、オネイロス、メディア、トラロック、エエカトル、イシュトリルトン、シュー、ヒュプノス、タナトス、セルケト、四海竜王、五方竜王、十二天将、タンニーン、ミドガルズオルム、両面宿儺、常世神、天宇受賣、天照大御神、沼河比売、天魔、夜刀神、月読命、素戔嗚尊、伊弉諾、伊弉弥、ガネーシャ、建御名方、クトゥグア、クトゥルフ、クタニド、ヨグ=ソトホート、アザトース、加具土。その他にも挙げ続けたらキリが無い。先に神話を問わずと言ったが、それどころの騒ぎでは無かった。何せ神や半神半人、英雄だけでなく、竜や龍、天使、堕天使、果ては悪魔迄出てくる始末。素戔嗚尊の奴はもう一度顕現したが、幽世に隠居したらしい。理由は知らんし知る気もない。
　あとメルカルト、ペルセウス、ウルスラグナの三柱(さんにん)はワタシに権能を与える為だけに出てきたのだとか。


　バカ正直に攻撃してくるまつろわぬ神を全て滅してたら権能の数がエラい事に成ってた。もう宝物庫内の宝具の数に迫るんじゃ無いかって位。と、言うか。ワタシと戦うまつろわぬ神(一番初めのAUO除く)達がワタシと戦う時の表情が嫌に生き生きとしていた故、まつろわぬクー・フーリンに聞いたところ『全力で戦っても大丈夫な上に最高に満足出来る戦いを提供してくれる神殺し』として有名らしい。満足出来る戦いに飢えてる幾らかのまつろわぬ神は現世に顕現したら取り敢えずワタシを探すらしい。なんでさ。

　ホント、ワタシ以外のカンピオーネ共は意気地無しなチキンの上に録に強くもないのにも関わらずプライドだけは無駄に高い奴が殆どだったから困る。そんな奴等ばかりだから暇を持て余し且、満足出来る戦いをしたいまつろわぬ神とワタシがエンカウント=即バトルの構図が出来たんじゃ無かろうか？ まぁ、ワタシが先方の望む闘いの形式に合わせてたのも要因だろうけども。

　しかもトリコのココの体内の毒みたく、権能を短期間で大量に獲得したせか、権能が混合してしまい、権能同士を掛け合わせて新たな権能を作り出せる権能創造マンになったっぽい。例として、オシリスの権能『死せる従僕の檻』と聖ロンギヌスの権能武装『聖魔双滅の魂殺槍(ロンギヌス)』とチャルタ・ヒュユクの女神の権能『百獣母胎(ボトニア・テローン)』をベースに、毘沙門天、建御名方神、建御雷等の武神達の権能、ヘカテー、ヘラ、ペルセポネー、ハデス等の冥府神達の権能、天之御中主神、デミウルゴス、ヤハウェ、ヴィシュヴァカルマン、ブラフマー等の創造神達の権能を混ぜ合わせて某獣殿の聖遺物(ぶき)みたいな権能創ったり、シヴァ、カーリー、ジャガンナート、トラウィスカルパンテクートリ、モリガン等の破壊神達の権能を混ぜ合わせて某黒騎士のマッキーパンチを再現したり、悪神ロキ、豊穣神フレイの権能武装『激痛の剣(レーヴァテイン)』をベースに、アグニ、クトゥグア、アータル、アペフチ、火之迦具土神、ペレ等の火神達の権能と、ヘスティアー、ウェスタ等の竈神達の権能を混ぜ合わせて某赤騎士の焼滅世界を再現したりと言った具合だ。正直控えめに言ってどうでもいいけど。

　まぁアレだ。転スラの大賢者(エイチアルモノ)先生とか知慧之王(ラファエル)先生とかシエル先生がやってた事みたいなものだ。


　 其れはさて置き、西暦では大凡１７００年代に入る迄、カンピオーネはワタシを含め、平均して3人程度。7～9人程居た時代もあった。但し、実力は一人を除いてカンピオーネ(人外)としては底辺も良い所であった。奸計やら罠やら何やらを用いて漸くまつろわぬ神と互角と言った程度。正直あの程度なら居ても居なくても然程大差ない程に弱い者ばかりだった。寧ろ居ない方が一般市民に被害が行かない。無駄に高いプライドと自分勝手な思考の所為でどれだけ関係無い一般人が盾替わりにされた事やら。


　１８００年代に入ってから、新たに同族(カンピオーネ)に生まれ変わ(な)った三人は、能力的には５世紀頃に居た同族であり、飲み仲間だったウルディンに勝るとも劣らない実力者だった。が、同時にメンドクサイ奴等だった。


　サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン―――簒奪したら権能の殆どが戦争向きの、インテリぶった戦闘狂。
　羅翠蓮―――簒奪した権能には自ら名前を付け、同格と認めた者以外には声を聴く事も姿を見る事も許さない腕力至上主義者。
　アイーシャ―――簒奪した権能がエゲツナイ物ばかりの、自己陶酔型思考を持ち、若干天然気味の夫人。


　一人は敵対(冷戦状態)、一人は弟子(済し崩し的)、一人は同盟相手(事実上)。


　出会さない様に注意してたが、何故か一年内に三人共とエンカウント。

　戦闘狂はケンカ売って来たから言い値の五倍程で買い占めてやった。冷戦状態に成った。
　腕力至上主義者は最初期のカンピオーネの実力を見たいと言って来たので軽く捻ってやった。呪力や魔力の扱いを教えてくれと頼みこまれた。師匠してた。
　天然夫人は、お茶したら仲良くなった。不可侵同盟(内容は恋姫†無双の三国同盟的なの)結んだ。


　この頃からワタシの活動範囲が少し小さくなった。と言うか、同族が居なく、まつろわぬ神も随に出現しており、且つ前世の故郷である日本に腰を落ち着けた。まぁ割と頻繁に世界各地を飛び回ってたけども。



　その後、同族が二百年くらいの間に三人程誕生した。十数世紀前も似たような感じだったな。アタリの世代か？ 実力的にも。まあ、人格的権能的には微妙だな。人間視点では。アイツ等六人とも自由すぐる。


　サルバドーレ・ドニ(あのアホ)が同族に生まれ変わ(成)って五年後位に八人目の同族が誕生した。日本人だった。由々しき事態だった。何故なら人の手に負えない問題児が増えたから。ウルスラグナを倒してカンピオーネに成ったらしい。得た権能は東方の軍神と聞く。戦闘狂や腕力至上主義者、夫人よりタチが悪いとも聞く。同族に成って一～二ヶ月で各地の名所を四箇所位破壊したとか、女を数人侍らせてるとか。ウルディン再来かとも思ったが、アレは駄目だ。戦闘を嫌いながら、倒したまつろわぬ神を見逃すとは。アテナだったから良かったものの、他の神ならその後の被害が尋常じゃなくなるというのに。


　色々とダイジェストして来たが、今現在ワタシは田舎の人里より離れた山奥に編んだ庵で床に伏している。何の事はない。寿命だ。
　幾らカンピオーネが化物じみた権能と馬鹿げてる量の呪力、人間離れした回復力と生命力、人間と比べたら不老不死に等しい寿命を持っていようと、二十七万飛んで三百と二十八年生きれば天寿も来る。まあ、見てくれは呪力で弄れるので十代後半の容姿だが。



　因みに、今迄のカンピオーネは皆まつろわぬ神との戦闘で相討ちに終わるか、討ち取られるか、稀有な事例だが人間に暗殺されるかの何れかであり、天寿を全うするカンピオーネはワタシが初めてらしい(ママ――パンドラ――談)



　カンピオーネが死ぬと、その骸より権能、回復力、生命力、呪力、その全てが消失し、人の肉体と同じになるらしい。


　そんな事を考えつつ、滅神魔法(ゴッドスレイヤー)の黒炎を今いる庵に放ち、眠りの神であるヒュプノスの権能で深い深い眠りに堕ちる。これで魂や精神は兎も角、肉体は死ぬ。同族達には前日に夢の神オネイロスの権能を使って寿命が来たことは伝えた。もうカンピオーネ！の世界(ここ)に思い残す事は何も無い


　こうして振り返ってみると、遠大で壮大ながらも、呆気なく味気ない生だったな。


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