トップ
暁について
ランキング
イラスト検索
よくある質問
各種マニュアル
45,954人
トップ
>>
小説検索
>>
冥王来訪
>>
冥王来訪の感想一覧
「冥王来訪」の感想
2024年 09月 14日 11時 36分
コメント
>国境亡命をしている最中のテオドールとリィズ
僕はBETAがいない、現実と同じ冷戦時代、テオドールとリィズと彼らの両親は西側へ亡命する時、パリーのInspector Clouseau、ロンドンのMI6 Agency Johnney English、ニューヨークのDetective Frank Drebinに会い、彼らによるシュタージの魔爪を逃げることができると妄想しました。
作者からの返信
2024年 09月 14日 12時 32分
実は明日以降の投稿で、触れる予定の話になるのですが、東独における作家や国家に雇われていない文筆業者は、自由業と申しまして、東独のインテリゲンチャの中核を担う人たちでした。
彼等の数は社会の1パーセント以下なのですが、東独に与える影響は大きいものでした。
リィズの父であるトマス・ホーエンシュタインは劇作家なので、おそらく作家協会や何かしらの東独の団体に強制的に加入させられて、審査を受けた後、県より免許状を受けた自由業者と思われます。
妻のマレーネも女優ですから、おそらく作家同盟に加入している自由業ですね。
人口の1パーセント以下なのですから、西独側もどういう人間がどれだけいるのを間諜や文諜(もんちょう)を通じて、把握してるのです。
1950年代にはそれこそ炭鉱送りとか、KGBによる銃殺刑はありましたが、1970年代はシュタージも国際的な評判を気にして、穏当な方法に切り替えるのです。
そのことに関しては、明日以降に詳しく言いますが、夜間に国境突破をしなくても、合法的かつ安全に出国できる方法はありましたし、東独には大使館や連絡部がありましたから、そこに駆け込むという方法も出来ました。
テオドールとリィズはベルリンにいたことがありましたから、西ベルリンの移住申請という物を行えば、時間はかかりますが西に移住できる可能性はありました。
自由業者だと、海外に講演活動や旅行に出て、その時に東独が国外追放するとか、留学を認める形での国外追放とかいう方法もありました。
長くなるのでここでは書きませんが、脱北のように何もない国境線を突っ走って逃げるというのは現実的ではありませんでした。
大概、二重の防護壁に守られた国境線には国境警備隊がおり、それとは別にシュタージの自動射撃システムなどがあり、非常に危険でした。
あと、国境脱出の際には、向こうに闇の脱走業者のようなブローカーや東独脱走を手助けする団体が居なくてはいけません。
事前に打ち合わせをして準備したりしますから、東西両国の国境監視所から丸見えだったでしょう。
軍管区によっては西独国境警備隊ではなく、英米仏の軍隊になる場合もありましたから、非常に厳しいでしょう。
>西側へ亡命する時……
東独の場合、ソ連KGBから亡命したオレク・ゴルジエフスキーの様にトランクに隠れて国境を脱出する方法じゃなくても、CIAやMI6、フランスの諜報機関は脱出させましたよ。
父トマスが英国の大学に留学するという名目で出国を許可し、家族全員が国外追放する形をとるなどが穏当かな……
長官のミルケやヴォルフは、国際世論を気にして強引な手法を控えていました。
1983年の東西ドイツの秘密会談で、西独から秘密資金を貰う事を合意してからは、荒っぽいことは控えるようになりました。
それまでは、シュタージ所属の将校やシュタージ直営の運動協会ダイナモに所属するサッカー選手などが脱走した際、毒殺任務などをしてました。
東独も一人の自由業者を殺して面子をつぶすより、海外に放り出した方が都合が良かったですからね。
東独で有名な歌手ヴォルフ・ビーアマンなどは反体制派でしたが、西ベルリンの公演中に国外追放にあっています。
(ちなみにビーアマンは、両親ともに共産主義のユダヤ人で、西独から東独に移住した人間です。
4回の結婚歴があり、そのうち一人はシュタージ工作員で、子供までいました)
2024年 09月 14日 11時 36分