「冥王来訪」の感想


 
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任正非と彼の娘『孟晚舟』がストーリー 
作者からの返信
作者からの返信
 
ご感想ありがとうございます。

>任正非と彼の娘『孟晚舟』
中国大手のスマートフォンメーカ、華為の社長と娘が何故と思いましたが、アーベルとベアトリクスの事に関して申したいのでしょうか。

話もすでに140話近いですし、お忘れの読者もいるかもしれません。
 
後日詳しい話は書くとして、今日は今までの振り返りとして感想欄で簡単にアーベルの経緯を書きましょう。

 アーベル・ブレーメは支那共産党の言葉でいうところの太子党の地位にある人物で、その娘のベアトリクスは紅三代になりましょうか。
ブレーメ家の祖父は、東独建国以来の共産党幹部で、俗にいうノーメンクラツーラーにあたります。


 アーベル・ブレーメは、戦前NSDAPが政権を取った第三帝国時代、モスクワに父とともに亡命しました。
劇中ではアーベルの父、つまりベアトリクスの祖父にあたる人物はほとんど出てきません。
(かなり高齢なのか、すでに物故者なのか、分かりませんが、少なくともユルゲンはあってません)

 文中にはアーベルの父が戦前の共産党の幹部でソ連亡命していたとありますので、アーベルやその他の家族とともに亡命していたと思われます。
その時代の欧州では共産主義者や思想犯の親族と分かれば、刑務所や矯正収容所と呼ばれる隔離施設に放り込まれましたので、亡命は家族単位でもよく行われました。
 史実ですと、シュタージの海外諜報部門『中央偵察総局』の責任者を30年近く務めた『ミーシャ』こと、マックス・ヴォルフは、父の政治亡命で一家ごとモスクワ郊外に逃げました。
そこでNKVD、のちのKGBにリクルートされまして、ソ連式のスパイ教育を受けます。
彼の弟さんも東ドイツの映画監督ですが、おそらく同じ教育を受けたと思います。

 ソ連KGBは、スパイの採用基準として血統を重要視するところがあります。
KGBのスパイ学校には幹部子弟やスパイ関係者の親族が入学できる特別枠がありました。
また幹部子弟は、特別に家庭教師が幼い時から付きますので、一般人より高度な教育を受ける機会があったのも影響していると思います。
GRU関係者であるヴィクトル・スヴォーロフもこのことを述べていますから事実でしょう。

 アーベルがベアトリクスをシュタージに入れたがっていたのは、KGBに幹部優遇のシステムがあるので、その出張所だったシュタージでも同じことができると考えていたのではないでしょうか。

 
 原著の文中には詳しい経緯は書いてません。
いろいろと史実を根拠にわたくしなりに考えた結論ですが、アーベルとベアトリクスの話、つまりはKGBとノーメンクラツーラーに関するは、後日改めて文中で説明する必要があるでしょう。

今後の展開をお待ちいただければ幸いです。