「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想

不来庵
不来庵
 
良い点
メディアコントロールの手法には説得力が。
これに似た手法を、逆に反体制側が使用している国もありますよね(闇笑)

ユリアン少年からも怖い目でにらまれる……(軍の規律上とか、一般的な礼儀作法的にどうよ、という話はともかく)小市民たるエリヤ提督にはさぞきつかろうw

 
悪い点
さすがにGPSは違和感が。あれ、本来は惑星上で複数の位置情報衛星からの情報を得て緯度・経度・標高を得るシステムですし、金属の塊たるイゼルローン要塞内で使える代物じゃないです。

……西暦に換算するとA.D.3600年前後の話ですし、原義が失われて、位置情報システムの一般名詞に転化したのですかね?というあたりは一言解説がいるかも。
 
コメント
そのうち『ヒューマン・ライツ・ジャーナル』がイゼルローンで売れているのは、ダスティ・アッテンボロー少将とパトリック・アッテンボロー主筆の親子関係による、などという風評が流れて、ダスティ閣下がブチ切れまくる、という図が浮かんで来たりw

徴兵時に有力者が口を利く、という図はWW2当時の日本でもわりとありがちな話だったようでして。
エドワーズ委員会みたいに追跡調査をやった例は耳にしたことがありませんが(軍側の資料が終戦時の文書焼却の対象だったことも一因。市町村側の資料もほとんどは処分されましたが、一部の町村では残っていることもあります)、町の名家の総領息子が、さる筋から一言口を利いてもらったので国内の通信連隊へ配属、なんて話は親戚から聞いたことがあります。ただ、ある程度余裕のある家では兄弟の誰かが陸海軍将校になっている例が多く(戦死者も多数)、自由惑星同盟ほど不公平感はなかったと思われます。
ちなみに、イギリスだとエリートほど前線に出たがる(WW1では特に顕著、現代でも王族だってフォークランドやイラクに出撃したくらい)傾向が。アメリカはやや自由惑星同盟に近い要素があるようですが(徴兵より先に州軍に志願したので、ベトナム戦争時の徴兵を避けたと非難された某大統領とか)、ハノイ・ヒルトンに滞在(収容)経験のある有力政治家や、メイドさんがいるくらいの上流家庭出身なのに態々一兵卒として志願した映画監督(後に自らの体験を映画化して大ヒット)がいたりするなど、同盟ほど腐ってはいないようです(少なくとも、選挙戦で対立候補から必ず攻撃されるくらいにはまずい行為>徴兵忌避)
……そもそも、エリート層なら大学(大抵の場合徴兵猶予、そうでない場合でも戦時平時を問わず各種予備士官課程を経て士官になれる場合が多い)や士官学校へ進学できる場合が多いので、徴兵の対象にならなかったり。
(追記:更に言えば、長期戦・苦戦・敗戦模様の時には国民世論的にこういう「徴兵の不公平性」が問題になりやすかったり。出自が実業家か政治家かでも差はある模様(政治家の場合、前線での戦功が経歴にプラス。実業家の場合、死んだら元も子もない))

やはり来ました移動要塞。原作より1万隻増しの艦隊戦力もありますし、持久に徹すれば増援が来るまで十分持ちこたえられると思います(原作でも、後方支援一筋のキャゼルヌがやり遂げたことですし)。
それだけに、イゼルローン方面軍(特に駐留艦隊)とイゼルローン方面派遣艦隊がどこまで協調できるか、エリヤ提督の手腕が問われる場面ですね。

蛇足:
特濃コーヒーは修士論文執筆時の友でしたw
……容積にしてインスタントコーヒーの粉:砂糖:お湯が2:1:2という、心臓にガツンとくるレシピ(よい子はマネしてはいけませんw本気で体に悪いです)