「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想

tukiyomi
tukiyomi
 
コメント
更新お疲れ様です。

トリューニヒト派による軍掌握は着々と進行中。
どれだけ功績を挙げても後ろ盾がいなかったことが、アラルコングループの命運を絶ちましたか。
しかしアラルコン達にとって、エリヤはどう思われているんだろう。
トリューニヒトは間違いなく恨まれているだろうけど、それと同類と見られているのか、あるいは自分の権限の範囲内で守ってくれた恩人と見るのか。

ヤンの立場からするとドーソンの命令を盾に押し通すしかないですね。
ここら辺が、ヤン並びに幕僚層の問題なのですが、自らのイニシアチブを確保する為に、政治家とのかかわりを最低限にしようとしています。
これまでは政治家ともつながりのあるシトレがいたのでどうにでもなりましたが、シトレの失脚と、ヤン以上に政治家との繋がりが下手なビュコックが中心とならざるを得ないという状況の変化を、原作では遂に最後まで理解できていませんでしたし、アイランズが軍事的に完全なフリーハンドを与えたという事の重みも全く理解できていませんでしたしね。
まあ本当に「民主共和政を信奉している」というのが「単なる責任押し付けのための方便」なんじゃないかとすら思いたくなる訳ですが。

今回、エリヤが故郷の現状を見て、改めて前の世界において家族が受けた影響の大きさを実感した訳ですが、同時にアルマも、兄の中にある懸念や怖れを理解したことで、本当の意味で繋がることが出来たんじゃあないかと。
少なくともエリヤが過去に引きずられる事は減るでしょうし、仮にそうなったとしてもアルマという理解者が出来た事で、大分楽にはなるのではないかと。

それにしてもエル・ファシルの帰還兵問題は難しいですねえ。
信頼を何よりも重視するトリューニヒトは、結果的に市民を裏切った彼らは許せるものではないですし、同盟市民もグランド・カナル事件を例にしても彼らを許す可能性は低い。
この件については、エリヤは孤独な戦いを強いられるでしょうねえ。 
作者からの返信
作者からの返信
 
アラルコンはマルラン・ラロシュの一派ですが、総選挙で惨敗して力を無くした政党がバックにいても力にはなりませんね。

ヤンは政治が嫌いというより政治家が嫌いなんでしょう。職業軍人の一典型だと思います。政治家不信の軍高官は、歴史上ではそんなに珍しい存在でもありません。

エリヤとアルマはようやく本当の兄妹になれたんじゃないでしょうか。

帰還兵問題はそう遠くないうちにケリを付けたいものですが。予定が目白押しでなかなか。