「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想


 
良い点
合理性のカケラもなかった侵攻計画に、一応の見通しある原案があったという描写。
発動したのちに前提条件が崩れて「臨機応変」で強弁するしか後が無くなったと見る方が
まだなんとかあり得る範疇ですよね。
 
悪い点
それでも内応と反乱を前提に試案を作って、それにエリヤ君が引き込まれてしまっている点。
ウクライナ情勢で現代で寝返りとかあるんだねと驚きましたが
だとしてもそれを前提に本丸まで進もうというのは流石に…
情報部に命運を委ねる作戦にすがらざるを得ないロボス派の苦境を表しているのでしょうが
この案が正規の手順でも通り得るかというと…常識人エリヤ君としてはらしからぬ判断なような。
友情と、前世の作戦に比べればマシに見えるが故か。
 
コメント
フォークどうしてああなった…を見事に着地させてきたのも、エリヤとフォークの葛藤と納得も素晴らしいだけに
原作より遥かにマシとはいえ依然トンデモの範疇な試案が惜しい。
偽装内応による誘引だけであっさり瓦解する作戦案に兵の命を預けるわけには。