「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想

tukiyomi
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コメント
更新お疲れ様です。

アスターテ会戦。淡々と書かれていますが、そうであるが故に同盟側が受けたショックがとんでもないものだという事を認識させられますね。
アムリッツアの大敗がクローズアップされますけど、アスターテも3個艦隊が文字通り壊滅するという大敗北な訳で、艦隊戦力の差が一気に2倍近くにまで膨れ上がれれば、そりゃあイゼルローン攻略戦という博打に手を染めたくなるのも無理ないです。

今回の一件ですが、最大の利益を得たのはレベロで、次点でトリューニヒト。なんとか収支がトントンなのがシトレで、試合終了直前がロボスですね。
特にロボスの場合は、ロックウェルやパエッタと言った派閥の有力将官までもが寝返るという悲惨さであり、派閥が瓦解寸前にまで追い込まれています。
まあトリューニヒトも、派閥の中心となるはずのドーソンが見事にこけて、戦術面でドーソン以上の能力を持つであろうパエッタも、アスターテの大敗北の責任を取らされることで表舞台から退場。
やはり落ち目とはいえ、軍主流派であることから有能な将官を多数抱えていたシトレ派の層の厚さが目立つことになりました。

しかしここまでくるとフォークの負担はますます増えることになりますね。
この世界のアンドリューは、責任感がとても強く、また他人の期待に応えようという意思がものすごく強いので、落ち目のロボス派を必死になって支えようと無茶無理をすることになり、それが元で周囲とのトラブルを発生させる危険性が生じることになりますし。
エリヤじゃないですけど「もうゆっくり休め」といいたくなるような状況なんだろうなあ。
 
作者からの返信
作者からの返信
 
三個艦隊壊滅って、同盟軍史上でも十本、下手したら五本の指に入る大敗なんじゃないでしょうか。「軍務省にとって涙すべき十分間」並みのインパクトでしょう。

対テロ総力戦では動かない人が得をしました。サンフォードが大損したのは動きすぎたからです。シトレも大損したんじゃないでしょうか。分厚い後継者候補のおかげで持ちこたえてるだけで。実はロボス派の失点は少ないんですが、それ以前に重ねた失点で政治的な体力が尽きてるんだろうと思います。

この状況でロボス恩顧のアンドリューが何を考えるか。想像に難くないですね。