「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想

tukiyomi
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コメント
更新お疲れ様です。

ドーソンが着々と自爆街道ひた走っていますねえ。
敵司令官を討ち取るというとんでもない功績を上げたことに舞い上がるのは仕方がない事ですけど、これではこれまでドーソンの「軍功を上げるだけが軍人の評価を決めるのではない」という姿勢そのものが疑われるわけで。
お世辞にもドーソンが司令部内で評価を受けていた訳でもありませんので、ますます艦隊司令部内で浮き上がってしまうかも。
勿論、同様に受けが悪くなっているエリヤも、とばっちりを受ける可能性高いんですよねえ。

それにしても、やむを得なかったとはいえ、エリヤの行動って、典型的な阿諛追従の輩と見られても仕方なく、後々まで響いてきそうですね。
既にエリヤはトリューニヒト派と見られていますので、トリューニヒトを毛嫌いしているビュコックやヤンからの受けもあまりよろしくなさそうかも。
派閥が悪いとは言いませんけれども、こうした部分は派閥のデメリットですよねえ。

あと、今回でロボスの立場がますます不安定になりましたが、同様にミュッケンベルガーの立場もますます不安定になったかも。
ヴァンフリートや第六次イゼルローン戦でも、目を見張るような活躍をすることができず、今回もラインハルトの活躍によって何とか痛み分け(それでも艦隊司令官を戦死しているので敗北扱いでしょうかねえ)と、全くいいところなし。
ラインハルトはますます軽侮するだろうし、メルカッツ待望論も出てくるでしょうし、ロボス以上に焦りを見せるかもしれません。

しかし・・・相変わらず戦術能力だけは無駄に高いですね。ラインハルトは。
当人にとっては、今回みたいな予備部隊としての役割を担っていることが、自他ともに幸せだったとしか。攻勢では戦場での止めを刺す役ですし、防衛戦でも火消し役として活躍できますし。
今更ながらに、士官学校で戦術能力以外の素養を身につけさせておけば、名実ともに当代最高の名将になれたと思いますが、原作ドーソンとは別の意味で「なってはならない地位についてしまった存在」と言えそうです。
 
作者からの返信
作者からの返信
 
エリヤはドーソン(とトリューニヒト)のおかげで今の地位まで引き立てられました。メリットを享受しておいて、デメリットを避けるという都合のいいことは許されないでしょう。原作のメイン人物のトリューニヒト派に対する態度は、デメリットの最たるものです。

ミュッケンベルガーは対抗馬としてささやかれる人物が政治力に欠けるメルカッツしかいないという時点で、かなり幸運ですね。この作品中では前任者がロボスに大敗して辞任した後を受けての就任なので、とても運が良いのでしょう。

ラインハルトが士官学校を出ていたら、フリードリヒ四世が死亡した時点ではまだ提督になっていないと思います。有能な士官にはなれても、宇宙の覇王にはなれなかったでしょう。