「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想


 
良い点
組織人としての軍人を描こうと注力されているところ
不動の信念を持って突き進むヒーローではなく、揺れ動く主人公の親近感
 
コメント
文中からも感想への返答からも感じるのですが作者さんは「天地人」とでも言うべきか
しかるべき人脈と人間関係を築いて、しかるべき職階と権限をもって、しかるべきタイミングで
物語を変え得るささやかだが不自然さの無い一手をエリヤ君に打たせようと
いろいろと布石を打っているのだなあと毎話楽しみにしています。

こう…"お前何言ってるの?"みたいなことを平気で主人公が口にして、責任者がそれをすんなり受け入れちゃう
みたいな作品は他で山ほどあるので、そうではない路線をこれからも貫いていって下さい、応援してます。 
作者からの返信
作者からの返信
 
組織の枠を踏み越えて、傍若無人に振る舞う天才は痛快に見えるかもしれません。しかし、与えられた役割を着実に果たし、今日よりちょっとだけ良い明日を目指していく組織人もまたヒーローではないか。天才的なひらめきではなく、日々の努力。昨日よりちょっとだけ良くなった今日、今日よりちょっとだけ良い明日。その積み重ねが物語を作っても良いのではないか。その思いが本作に結実しました。

エリヤは着々と地位と人望と経験を積み重ねています。士官学校卒のエリートでも十年以上を費やさないと到達できない中佐の階級に、エル・ファシル脱出から七年、士官任官から四年で到達し、今や一方の派閥のホープとみなされる立場です。今後も営々と地位と人望を積み重ね続けようと努力すること。地位が上がれば上がるほどに苦労も多くなるでしょうが。その果てに何があるか、早くお見せしたいものだと思います。