「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想

tukiyomi
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コメント
更新お疲れ様です。

第六次イゼルローン戦は、ラインハルトのこれ以上ない程のボーナスステージですからねえ。純粋に戦術能力だけを駆使さえすればいいのですから、そりゃあもう個人的武勲を立て放題。当人にとってはいかなる意味においても大満足できる遊び場だった訳ですから。

ただまあここでの大活躍が、ラインハルトを歪めたともいえますが。
これ以降、軍全体の勝利よりも個人的武勲を立てることにいっそうガツガツした態度を取り続けますし。お蔭で買わなくてもいい周囲の反感を買う羽目に。
リップシュタット戦役で、アムリッツァで戦術的大勝利(本来なら政略的大敗北ともいえるが)を収めたにもかかわらず、帰還した捕虜兵を頼りにせざるを得ない(そして彼らを用いても尚、宇宙艦隊の半分しか動員不可能だった)など、表面上の華やかさとは裏腹に、最後までラインハルトの基盤は脆弱だったわけですが。

それにしても、ここまでいいところがないと、そりゃあロボスもあせりますよねえ。しかも最大の功績をあげているのが(当人はその自覚無いですけど)シトレの腹心クラスと言っていいヤン。二重三重に面子潰されますわな。
彼の戦略が徐々に刹那的になっていくのは、年齢による衰えもでしょうけど、こうした焦りの方が大きいんでしょうねえ。 
作者からの返信
作者からの返信
 
あれだけ急速に成り上がったら、基盤を固める暇もないですよ。数十年単位の計画で帝国を乗っ取るつもりでなかったら、短期間で連戦連勝してわーっと支持を集めて、勢いがあるうちに簒奪してしまうしか無かったと思います。

原作のロボスは政治的に相当追い込まれていたと思いますよ。