つぶやき

スター(Sutaa)
 
誰にも認識されない、それは存在していると言えるのかい?
ガシャポンについていろいろ書くことに。

つってもみんなには分からないように書いてやるもんね!!
(絶対ばれる)


楽帆戸市花火大会のお知らせ!
毎年恒例の花火大会の季節がやってきました。
大会の期間は8月11日から8月13日の三日間!
遠方の方も是非遊びに来てください!

―8月11日 19:21
「ねぇ~、この山まだ登るの~?」
「もう少しで頂上だからー、ほら、頑張って!」
「頂上目指しに登ってるわけじゃないんでしょ~?もう引き上げようよ~」
「どうせなら行ってみようって言ったのあんたでしょ…、もう…」
乃生大学2年生、オカルト研究サークル所属。
私達が登っている理由はある事件の調査でした。

―8月 4日 13:08
「なぁこれ知ってる?」
彼はそういうと私達にパソコンの画面を見せた。
「なにこれ」
ウィンドウには行方不明事件のニュースが表示されていた。
「この森、何かよく行方不明者が出るんだって!」
「あそう、それがオカルトと何かあるの?」
「うん、この森で行方不明になった者は未だ誰も見つかってないんだ。死体もね」
「ふーん」
「興味とかないの?」
「無いわよ、むしろなんかこうイベントとかのが興味ある」
「なんでこのサークルは言ったんだよお前…」
彼はパソコンを元の向きに戻すと、また何かを調べ始めた。
私はそんな彼を適当に流し目で見ると、いつものように片手で携帯をいじっていた。
風の音と外からの声以外は何も聞こえなかった。
そんな時、ガラリと扉が開く。
「うぃ~す!」
「ういすー」
もう一人のサークルメンバーが来た。
彼女は彼のパソコンを覗き込み、あ!と声を上げると、
「え~!!こここんな事件あったの!!やだ~」
と独り言を言った。
「何?ここ知ってるの?」
「いや今度花火大会行こうと思ってて。そっか~、行方不明か~」

「…花火大会?そんなのあるの!!」
「ありますよ~、楽帆戸市って所でやるんですよ~」
楽帆戸…どこだそれ、と思いつつ彼女の話を聞く。
そんな時彼が口を挟む。
「丁度良いし、事件調査と一緒に花火見るってのはどうだ」
「あ、いいっすね~サークルみたい」
「え?マジ?やるの?」
変な流れになったなぁと思いながら、どうやって調査だけサボろうか考えていた。
多数決ですること確定になるのは目に見えていた。
「んじゃそういう事で」
「はぁ…」
「あ、サボんないでね?」
「ふい」
…先を読まれていた。

―8月11日 19:24
「ね~まだ~?もう疲れた~」
「…」
彼女はまた呟く。
しばらく黙って歩いていたからか、私はある違和感に気付いた。
「…ん?」
「どうしたんですか、先輩?」
「あいつは?」
「……あれ?おかしいですね、いない…」
彼は最後尾に居るはずだった。
しかし振り返ると誰もいない。
「おーい!」
試しに呼んでみるが返事はない。
「携帯は?」
「かけてるけど出ない…」
「もしかしてあいつ、今何処かで迷ってるんじゃ…」
この森の中、ニュースにあった通り、薄暗く先が見えない。
迷うのもなんとなく納得できた。
「探そう!さっきの道を戻ればどうにか見つかるはず!」
「う、うん!」
本当はこういうことしちゃいけないのかもしれないが、そんなことを考えるほど私は落ち着いていなかった。

―8月11日 19:32
「おーい!!」
懐中電灯で周りを見ながら道を戻る。
不思議とさっきより暗くなった気がした。
「ダメだ、見つからない…もう警察に連絡するしか…」
携帯を取り出して彼女に連絡する、が、全く反応がない。
「?、あれ?、まさかそんな…?」
諦めて警察にも連絡する。
が、出ない。
「なにこれ…なんで警察まで…」
「んーーーもう!!さっさと出てきなさいよもう!!!」
ガサリ、と何かの音が聞こえた。
「!…いるの?」
近づいてみようとした。
しかし懐中電灯に照らされたのは人ではない何かだった。
「…い、いやぁ!!」
後ろに振り返り必死に場所を離れようとした。
「何あれ気持ち悪いし虫みたいだし人みたいだしもういやああ」
いろんな思いが混ざり言葉になった。

―8月11日 19:43
そして、何も考えずに走り続けると
「なに……この……」
存在しないはずの廃村に辿り着いた。