つぶやき

海戦型
 
Fate/BBB
あんまり知らなかったのですが、ピクシブではFateと血界戦線のクロスというのが一時期流行っていた事を知りました。まぁ、FateというかとりわけFGOは、どんな世界にも介入できる便利世界設定があるのでどんな作品ともクロスできちゃうというのはありますが。

でも、Fateシリーズと血界戦線はパワーバランスの線引きが非常に難しいんだなぁ、と読んでいて改めて思いました。

実際のところ、FGOで勘違いされがちですがFateというか型月の世界というのは法則や世界の意志的なもので雁字搦めに絡められまくって滅茶苦茶内的な世界です。世界観的に、人類ありきの世界の癖に人類の可能性はどんどん閉じていって内に内にといく上、世界を滅ぼすのは超常。なんというか、人間の可能性が未来に進むにつれて喪われて行って、過去と格が至高なんです。

対して血界戦線の世界はHLという「何でもありの出鱈目世界」というフィールドを用意し、そこを出入り可能な特異点と化すことで超常を日常の世界に引き込み、日常を超常化させる成長や技術革新が繰り返される。その中にあって人類は身体的にも技術的にも化け物たちに追いついていないが、だから何だと前に前に道を作り続ける。可能性の物語で、人の意志が至高です。

早い話がソリが全く合わない。サーヴァントの強さをどの辺にするかが難しすぎる。

というのも、型月には「古い方が勝つ」「ステータス有利な奴が勝つ」「相性で勝つ」「神話の弱点がサーヴァントでも弱点」というジャンケン的な法則というか優劣のつけ方が出来るのに対し、血界戦線の世界のパワーバランスが難しすぎるんです。

ナノ単位でビルを細切れにして合体すると世界が滅ぶ神(の半分でついでに痛みで理性を失ってるんだけど)相手に「目が慣れた」「旦那より浅い」とか言いながら追いついて見せるザップ、そんなザップが何度戦っても瞬殺されるクラウスの旦那、そんなクラウスでさえ片手で投げ飛ばして倒せるブラッドブリード、そのブラッドブリードの更に上位のエルダー級、そんなエルダー級をフルボッコ出来るジュウゲエさん、そんな世界で日常的に地球滅亡を企てるフェムトとゆかいな13王、それとは別に因果律を歪めて何でも出来ちゃう異界の神がいて、技術的にもそんなのアリかみたいなのがポンポン出てくる。
(この一部だけ切り取ればザップは倒せるかどうかは別として「神ともチャンバラ出来る」って事になるんですが、実際のところあとから登場した神性存在を考えるとあの半分神は神の中でも格下だったんじゃねーかと思わないでもないです)

Fate的に本物の神とか勝負にならないくらい強い法則が働くから勝てないのが基本。
でも血界戦線の世界だと神秘の法則が違うのもあるけど、人類の少なくとも一部は神と戦えたり倒したりが不可能ではない。でもそれに合わせるとFateの魅力である「過去の英霊が派手に大暴れ」がまかり通りにくくなる。バランスを取ろうにも下手な事をすればあっという間にどっちかがどっちかの魅力を喰ってしまうんです。

あとファン同士が喧嘩しそうなのが面倒なところ。どっちかがどっちかを蔑ろにした瞬間、感想が戦場と化す……みたいな。やっぱりみんな好きな作品には強くあって欲しいのが真理でしょうからね。

しかし、見たところ難しいというそれだけであって、上手くやる人は上手く書いてますね。
世の中、お勧めするしないの問題とは別にやってやれることも多くある。そんな感じでいつも通りオチなしのお話でした。