暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0705話
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ムというただ1人の女だった。

「いざ無くしそうになって、そこが大事な場所だと分かる。……故郷ってのはそういう物だろ? 安心しろ、お前の守りたい物は俺が必ず守ってみせるから」
「……アクセル……」

 微かに目に涙を溜めながら俺の方へと視線を向けて来るシェリルの肩を、励ますように力強く抱く。

「俺が守る。全ては無理かもしれないが、出来る限りは守ってみせる。だから……そうだな、このお守りは借りていくよ。俺の力とお前の幸運。この2つがあれば出来ない事なんか無いさ」
「アクセル……」

 一瞬下を向き、すぐにまた上を……俺の顔と視線を合わせるシェリル。

「貸すだけだからね! 必ず返しに来るのよ! アクセルが、直接あたしに! いいわね! 絶対よ!」
「ああ、任せろ」

 それだけ告げ、シェリルを抱いていた手を離し、渡されたイヤリングを握りしめ勢いを付けて立ち上がる。

「じゃ、行ってくる」

 それだけ告げて、舞台裏から出て外へと向かうのだった。
 尚、その途中でこちらを探るような目で見ていたグレイスの姿があったが……何を考えているのかは分からないが、それでもこの状況でおかしな真似をする筈も無い。今、ここで何かを起こせば自分の身も危ないのだから。
 それにシェリルがあそこまで信頼している相手だ。何を企むにせよ、シェリルを巻き込むような真似はしないだろう。

「それでも何かをするのなら……」

 その時は、生まれてきた事を後悔させてやればいいだけの話だ。
 内心で呟き、少し離れた場所から影のゲートに潜り、S.M.Sへと向かうのだった。
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