マクロスF
0705話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
きちんとリンクしているか!?」
「あ、ちょっと待って下さい。……はい、OKです!」
そんな風に聞こえて来る声、声、声。
影から姿を現そうにも、至る場所に人がいて下手に影から出たりすればその場面を見られるかもしれないか。もう少し人目に付かない場所を探した方がいいな。
そう判断し、人の少ない場所を探して影の中を彷徨う。
そして……
「ビンゴって奴だな」
見つけたのは、舞台のすぐ裏側。本来であればスタッフがたくさんいてもいい筈なのだが、そこにいたのはほんの2人。……いや、違うな。ここの入り口近くに数名の警備員がいるのを見ると、恐らくは意図的に2人……シェリルとグレイスだけにしているのだろう。シェリルをあまり煩わせずにライブに集中させる為に。
ま、この際だ。あのグレイスって奴の危険性を探るという意味でも丁度いいか。
そう判断し、シェリル達がいる場所から少し離れた位置、大道具らしき物が置かれている場所へと影を繋げてそこから姿を現す。
「シェリル……もし辛いなら、今からでもライブを中止しても……」
「嫌よ。こんな事くらいでは止まらない。止まってはいられないの。私はシェリル・ノームなんだから。やれるわ、やってみせる」
その言葉を聞き、拍手しながら物陰から姿を現す。
「どうやら、まだ元気なようで何よりだ」
俺が声を掛けたその瞬間、さり気ない仕草でシェリルの1歩前へと出るグレイス。
不審人物に対する護衛と考えればおかしくはないのだろうが……それでもやっぱりどこか心を許す事が出来ないんだよな。
「誰か!」
「待って!」
シェリルの前に立ち塞がり、鋭く叫ぶグレイス。同時に、入り口の方から3人程のSPと思しき黒服達が血相を変えてこちらへと向かおうとするが、それを止めたのはシェリルの一声だった。
「その、彼はあたしの友人よ。ちょっとした約束があったんだけど、伝えるのをすっかり忘れてたの。問題は無いわ」
「シェリル……」
どこか咎めるような口調で告げるグレイスに、シェリルは小さく呟く。
「グレイス、お願い」
「……彼は……いえ、何でも無いわ。けど、あまり時間は取れないわよ?」
「分かってる、時間はあまり掛けないから大丈夫よ」
「そう、わかったわ」
グレイスが軽く手を振るとSP達が去り、グレイス自身もまた去って行く。
その際、俺と擦れ違ったその時……一瞬、俺の方へと何かを探るような視線を向けてきたのは間違い無いだろう。それも、何らかの渇望をこれでもかとばかりに滲ませた瞳で。
……どう考えても危険人物ではある。だが、シェリルにそれを言っても信用される事はないだろう。そもそも、俺とシェリルの付き合いはシェリルがフロンティア船団に来てからのものでしかない。そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ