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ロックマンX〜朱の戦士〜
第五十三話 Weapons Stockpile
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言わんばかりに再びメガクレッセントショットの体勢に入るグリズリーに対し、ルインはバスターを構えて突進する。

グリズリー「(我が身を捨てての勝負に出るか?面白い!!)メガクレッセント…」

ルイン「グランドハンター!!」

ドリルアームを振り上げようとした刹那。
がら空きとなった脚部に向けて、地面を滑るエイ型メカをバスターから放つ。
グリズリーはグランドハンターをまともに受けて体勢を崩す。

グリズリー「ぬぅ!!?」

ルイン「雷神撃ッ!!!!」

グリズリーの隙を見逃さず、腹部に電撃を纏わせた強烈な突きを繰り出す。

グリズリー「ぐあああああっ!!」

強烈な電撃を受けたグリズリーは苦痛のあまり絶叫する。

ルイン「これで…終わりだあああああっ!!」

チャージセイバーをグリズリーに喰らわせ、グリズリーを両断した。

グリズリー「ぐはっ…流石だ…」

地面に倒れ伏したグリズリーは満足げな笑みを浮かべながら、扉の奥を指差した。

グリズリー「あそこにある密売用の転送装置を使え…レプリロイドの転送は出来ないが、オリハルコンをハンターベースに転送することは出来る……」

ルイン「ありがとう…グリズリー……」

荒く息を吐きながら言うルインは、自身の簡易転送装置が壊れていることに気づいて、心中で溜め息を吐いた。
死期が近いグリズリーは最後に口を開いた。

グリズリー「お前があのゼロと並び称されたイレギュラーハンターなら…言っておくことがある……」

ルイン「え?」

グリズリー「今からでも遅くはない…ゼロをイレギュラーとして破壊しろ……」

ルイン「何で…」

仲間をイレギュラーとして破壊しろと言うグリズリーにルインは思わず目を見開いた。

グリズリー「奴は…危険過ぎる……奴はシグマ以上のイレギュラーだ…。今から大分前の話だが、かつてイレギュラーハンターだったシグマを素手で圧倒した紅いイレギュラー…それが奴の正体だ…俺の傷も奴に付けられた……この俺も赤子扱いされて…命からがら生き延びた後も、あの時のことを一時たりとも忘れたことはない…お前なら…出来る…奴を…ゼ、ロ…を破壊し、ろ…」

そう言うとグリズリーは機能停止した。
ルインはゼロがイレギュラーと言われても信じられず、それを振り払うように踵を返してオリハルコンが保存されている扉を開いた。
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