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駄目親父としっかり娘の珍道中
第61話 親子の絆は死んでも続く
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酷い時なんざ親の事を血だるまにするガキだって居んだよ。例え親がハイハイも出来ない赤子の頃から丹精込めて育ててやったとしたって子供ってなぁ簡単に裏切ったりするんだよ。それを一時的なバグだぁ? すぐに元通りになるだぁ? 妄想に浸るのも其処まで来たら滑稽過ぎらぁ」
「貴様、知った風な口を聞くが、子を育てた事が貴様にあるのか?」
「さぁな、てめぇも父親の端くれなら分かるんじゃねぇのか? それとも、それすらも分からなくなったかぁ? 何なら一遍てめぇの脳みそ取り出して見て貰おうかぁ? 丁度腕利きのからくり技師もついてる事だしよぉ」
「何?」

 突如意味深な言葉を聞き、伍丸弐號は一瞬判断が遅れた。その一瞬の隙を突くかの様に、突如風がふいた。
 風と共に聞こえるは機械の配線が千切れ装甲が砕かれる音。それは伍丸弐號の腕から、芙蓉を捕えている方の手から聞こえてきた。

「娘の事だけ見続けてロリコンに目覚めちまったかぁ? エロ親父になったせいで視野も狭くなったみてぇだな。そんなんだから娘がぐれちまうんだよ」

 意地悪そうな笑みを浮かべながら銀時は言う。その表情には以前までの様な緊張感は欠片も感じられなかった。
 その後続けてもう片方の手も切断されてしまう。今伍丸弐號は両腕を切り落とされ一切反撃の出来ないだるま状態にさせられてしまった。
 両腕を切られた時点で伍丸弐號は見る事が出来た。自分の両腕を切り落とした不届き者の姿を。
 其処には、何時戻ってきたのか知れない此処に来る前に逸れてしまった筈のフェイとの姿があった。
 彼女の手には黄金色に輝く刃をちらつかせているバルディッシュが握られているが、その容姿は何時ものそれとは違い、メイド服その物を着ている状態であった。

「これで二度目ね。私に命を救われるのは」
「はぁ? 全然俺ピンチじゃねぇし。寧ろ俺一人でも全然余裕で行けたしぃ。って言うかお前が勝手に助けに来ただけであってぇ、俺は全然ピンチになってませぇん」

 そして、お約束とも言うべき銀時とフェイとの醜い口論が始まっていた。どうやら、フェイト自身は自分が銀時の窮地を救ったと思っているようだが、当の銀時は全くそのつもりがないらしい。その為、借りを作らないようにと僅かな可能性に賭けて全力で否定し続けているのだ。
 はっきり言ってあまりにも醜い争いだと言えた。

「ちょっとちょっと銀さんもフェイトちゃんもいい加減にして下さいよ。何で二人とも顔を合わせた途端喧嘩するんですか?」
「しょうがないネ。二人とも所詮は似た者同志アルよ。似てる奴らほど良く喧嘩するって昔パピーが言ってたネ」

 心配になって駆けつけてくる新八の隣には、これまた何故かメイド服を着ている神楽の姿もあった。

「ちょっと神楽ぁ。それじゃ私のご主人様があの銀髪馬鹿と
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