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駄目親父としっかり娘の珍道中
第61話 親子の絆は死んでも続く
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交わす。これで目的の一つは達成した。後はこの事件の元凶でもある伍丸弐號を破壊し、ターミナルの占拠を解けばこの長い夜は終わりを迎える。そして、再び朝日が昇り、明日が訪れるのだ。
 だが、此処で銀時達が負ければ明日は来ない。江戸はからくり達に蹂躙され、人間の明日は永遠に訪れなくなる。それだけはさせる訳にはいかない。明日を手に入れる為にも此処で絶対に勝たねばならないのだ。
 足音が響いた。こちらに向い更に大勢の殺人メイド達がやってきているのが見えた。
 四方から怒涛の如く押し寄せて来る。うんざりするほどの数だ。

「くそっ、まだこんなに戦力があったなんて!」

 愚痴をこぼしつつも、先ほどまで殺人メイドが持っていたモップを拾い、それを新八は構えた。殺人メイド達を銀時達の元へ行かせてはならない。なんとしても此処で食い止めなければならないのだ。
 
「なのはちゃんは僕の後ろに隠れてて。なんとしても此処で食い止めないと!」
「大丈夫だよ。私だって戦えるから心配しなくて良いよ」
「え?」
「さっきだって私凄く強いからくりメイドをやっつけたばかりだからね。寧ろ私が新八君を助けてあげられる位だよ」

 自信たっぷりになのはは言う。だが、それを聞いた新八の脳裏に不安が過ぎった。それはつまり、なのはの失われた記憶が蘇った事を意味する事だと錯覚したからだ。
 そんな不安がっている新八を他所になのはは勇み足で歩み出て、両腕を前に突き出す構えを取った。

「出ろ! 光の剣!」
「え? マジで!? まさか本当に出せちゃうの!」

 驚愕する新八。そして訪れる静寂。新八の耳に何故か【シ〜ン】と言う音が聞こえて来る位に静けさが訪れていた。

「あれ、出ない? さっきはちゃんと出たのに……」
「うん、予想通りと言うか何と言うか。とにかくある意味で安心したよ」

 予想通りとは失礼な物言いだと思われるだろうが、とにかく出なくて一安心だったりする。此処で下手に魔力なんて出してたら最悪な事になる。何せ此処には江戸の全エネルギーが集まっているのだ。
 そんな場所で高火力の武器や範囲の広い武器を用いればどうなるかなど火を見るよりも明らかな事だと言えた。
 そして、当然なのはが用いている例の光は広範囲攻撃に分類される。下手するとこの場所一体を吹き飛ばしかねない。大量の殺人メイド達を相手にしなければならないと言うのは些か痛手ではあったが江戸が吹き飛ぶよりは遥かにマシだと言えた。

「う〜ん、おかしいなぁ? さっきはちゃんと出たのに」
「ま、まぁ出ないのはしょうがないから、とにかくなのはちゃんは下っててね」
「ぶぅ……何か邪険に扱ってない? 私の事」
「してないから、とにかく下ってて。お願いだから」

 本当にこの子はわが道を行くと言うか、子
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