第61話 親子の絆は死んでも続く
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出来る。そうすれば世界の垣根を気にする必要もなくなると言う訳だ」
続けて淡々と語る。彼らが言うには芙蓉プロジェクトの発動と失敗の末に何かしら得る物を見つけたと言うようだ。
「この技術を用いればアレの完成もそう難しくはあるまい」
「アレ? それは【戦闘機人】の事か?」
「時代遅れの世界だと思っていたが、中々良い収穫となったな」
男達の口から出た言葉。それが何を意味するかは今の所定かではない。だが、それが後に禍となるのは明白の事であった。
「そう言えば、奉行所に仕込ませておいた我々の手勢はどうなったのだ?」
「あの騒ぎの為に全滅したよ。お陰でこの世界に流れ着いたとされるナンバーXの特定は未だ出来ていない状態だ」
「ナンバーX……あぁ、一昔前に行われていた【ロストチルドレン計画】の事か」
「誤報ではないのか? 確かナンバーXは死亡したとされていた筈だが」
「奇跡的に此処に流れ着いた可能性もある。無下にに否定は出来まい」
男達はさらに会話を続けていた。その中にも意味深な単語はいくつか見受けられていた。
「まぁ良い。今はそれよりも前に進めるべき事がある」
「何だ?」
「これを見ろ」
また別の男が映像を操作する。モニター一杯に映し出されたのは坂田銀時の戦っている姿であった。
「江戸に住む侍とか言う人種か、これがどうかしたのか?」
「坂田銀時、かつて攘夷戦争にて白夜叉と恐れられた鬼神。幾千もの敵をなぎ倒すその様は敵のみならず味方からも恐れられたと言う」
「だからどうしたと言うのだ。この男の詳細など何の意味も成さんだろうが」
「いいや、実は私はある計画を進めていてな。その計画にこいつが一枚噛んでいるのだよ」
「どう言う意味だ? 話が見えて来ないぞ」
「白と紅。攘夷戦争を戦った鬼は白夜叉一匹ではないと言う事さ」
男のその言葉に当たりはどよめきだす。そのどよめきを前に男はにたりと笑みを浮かべていた。
攘夷戦争、もう一人の鬼神、白と紅。これらの単語が何を意味するのか?
それを知る術は今はない。ただ、この男の胸の内にのみその事実があるだけであった。
芙蓉編 終
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