暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第61話 親子の絆は死んでも続く
[21/23]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
。とにもかくにも、後数日は慌ただしい日が続くであろうが、それが過ぎれば元の江戸の町に戻るだろう。
 今回のこの騒ぎもいずれは過去の話となり人々の記憶から忘れ去られてしまうのであろう。





「こんにちわ」

 騒動から暫く経った後、新八と神楽は源外の待つ工房へと足を運んだ。其処では一人からくりを弄り回す源外の姿があった。

「おう、あれからどうだ? 騒ぎの方は」
「もう大分納まってますね。今じゃ皆元の生活に戻ってますよ」
「そうか、まぁ腐っても江戸っ子だ。例え大火事があった所で何時までも塞ぎ込んでなんざいやしねぇよ」

 そう言いながら再び源外はからくりを弄り始めた。

「何を弄ってるアルかぁ?」
「なぁに、流山の残したからくりをちょいと弄ってるだけだよ。仲は悪かったが別に嫌いな奴って訳じゃなかったしな。こうして奴の作品も残ってる訳だし、それに半分興味もあるって奴でな」
「をいをい、年寄がからくりにお熱アルかぁ?」
「けっ、何抜かしやがる。元はと言えばてめぇらが俺ん所にこんなガラクタを持ち込んだのが原因じゃねぇか。お陰でこっちは転移装置を直す事も出来やしねぇや」

 ぶつくさ言いながらも手の方はしっかり動いている。そこ等辺りは流石からくり技師と言えた。

「それで、どうですか? 治り具合の方は」
「ま、何とか頭の方はどうにかなったな。記憶の方もこないだ繋いだテレビに辛うじて残ってた奴があったし、しかしまぁ仮に直ったとしても恐らく頭ん中はまっさらになるのがオチだろう」
「それでも良いですよ。またたまさんに会えるんだったら。僕たちはそれで良いですしね」
「やれやれ、これだから最近の若い奴らは手が掛かって困るぜ。ま、後2〜3日は待ってくれや。そうすりゃどうにか頭だけは元通りにしてやれるからよ。ところで、銀の字はどうした?」

 今、源外の目の前には新八と神楽しかいない。何時もはその中に銀時を入れた三人メンバーなのだが今回はその銀時が居ないのだ。

「銀ちゃんなら今病院アル。なのはの見舞いをしてる所アルよ」
「やれやれ、なんだかんだ言ってあいつも一端の父親って訳か。微笑ましいじゃねぇかよ」

 



 所変わり、大江戸病院の一室では、ベットの上で静かに寝息を立てているなのはをただ黙って見つめている銀時とフェイトの二人が居た。

「医者の話じゃ暫くは安静だとよ。ま、命に別状がなかっただけでも良かったってところだろうな」
「良かった、本当に良かった……なのはが無事で」

 嬉しそうにフェイトが言う。言いながら目尻に溜まった滴をそっと指で拭い取っていた。

「やれやれ、使い魔も涙もろいんなら主も涙もろいみたいだな」
「何、また喧嘩売ってるの?」
「いいや、少しからかっただけ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ