第61話 親子の絆は死んでも続く
[20/23]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
醜い残骸と化したこの私を」
「はい、貴方は間違いなく私の父です。今、私の中にある種子が貴方の事をお父さんだと言っています。だから、貴方は私のお父さんなんです」
「芙蓉……ありがとう」
芙蓉から聞けたその言葉。それを聞くと伍丸弐號は静かに目を閉じた。その言葉を聞けただけで伍丸弐號も、その中にある林流山も満足だった。
今、彼の心はとても満ち足りた気持ちでいっぱいだった。愛する娘とまたこうして出会える。それが出来ただけでもこのプロジェクトを行って良かったと、心底そう思えた。
すると、伍丸弐號の体が少しずつ崩壊し始めた。徐々に彼の体が小さくなっていく。やがて、伍丸弐號の体は欠片一つ残さず芙蓉の、たまの目の前から消え去ってしまった。
「たま……」
「父の遺志を継ぎ、暴走は私が止めて見せます。銀時様達は急ぎ此処から離れて下さい」
「………任せたぞ、たま。そして、芙蓉」
銀時は一言、そう言葉を残し、源外とともに戦車に乗り込む。
「銀ちゃん! すぐにたまを助けないと。あのままじゃたままで粉々になるアルよ」
「あそこへは俺たちは入っちゃいけないんだよ。今、あそこは芙蓉と流山が親子水入らずやってんだ。俺たちよそ者が入る余地はねぇよ」
「でも!」
「流山の、芙蓉の気持ちを無駄にしない為にも……ここはあいつらに任せるんだ。爺さん、頼む」
銀時達を乗せた源外の万能戦車が宙を浮いてターミナル中枢から離れて行く。皆が離れた後、芙蓉は一人残り、コントロールパネルに向かった。そんな芙蓉にも容赦なくエネルギーの波が襲い掛かる。体中が傷だらけになりながらも、芙蓉はコンソールへと到達出来た。後はパネルを操作し、暴走を食い止めるだけだった。
「お父さん……私を生み出してくれてありがとう。お陰で、いっぱい友達が出来たよ。変わり者だけど、とっても楽しい……愉快な人たち……だよ」
***
ターミナルの暴走が停止したのと同時に地上で大暴れしていた大量のからくりメイド達は一斉に行動を停止した。それから暫くして、江戸に再び光が戻り、こうして江戸中を巻き込んだ芙蓉プロジェクトは終わりを告げたのであった。
その後、真選組のメンバー達は事後処理に駆け回る羽目となるのだが、それはまた別の話にしておくとしよう。
無事に地上へと戻る事が出来た銀時達はなるべく面倒事を避ける為に人ごみを避けて急ぎ大江戸病院へと駆け込んだ。
新八達やフェイト等の中にある毒を取り除かなければならなかったし、なのはを寝かせたいと言うのもあった。
幸いな事に皆の中にあった毒はそれほど強力な物ではなかったらしく、中和剤を打ちすぐに回復する事が出来た。
なのはの方はと言えば暫く寝たきりになるらしい為入院する事になったようだが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ