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駄目親父としっかり娘の珍道中
第61話 親子の絆は死んでも続く
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ねぇか!」

 すぐさま銀時は木刀を抜き放ち、源外も戦車から飛び降りて来た。このまま座して見ていても結果は同じ。ならば一か八かの賭けに出るまでの事だ。どの道今まともに動けるのは二人しか居ない。泣いても笑ってもこの一回きりに賭けるしかないのだ。

「来るな! お前達は来るんじゃない!」
「な、流山!」

 そんな二人の前で、よろよろとだが、伍丸弐號が折れていた膝を起こした。よろよろとした動きでコントロールパネルへと向かう。だが、そんな伍丸弐號に強烈なエネルギーの波が襲い掛かる。

「ぐっ!」

 強烈な衝撃波でもあるエネルギーは伍丸弐號の右腕を吹き飛ばし、続けて両足を引き千切った。
 無情にも地面に倒れ伏す伍丸弐號。だが、諦めず地を這いながら近づいていく。

「どうやら伝達系がやられたか。体の再生が出来ないか、まぁ良い。腕一本あればそれで十分だからな」
「もう止せ、流山! お前、死ぬ気か?」
「何を今更。私は既に死人だ。今更死など恐れん」

 源外の静止を振り切り、伍丸弐號はひたすら突き進む。だが、そんな伍丸弐號に更にエネルギーの波が押し寄せる。その波は容赦なく伍丸弐號の体を傷つけ、ズタズタにしていく。

「流山、お前―――」
「生きている者が死んでいる者に出来る事。どうやらもう一つあったようだな」
「何!?」
「死んだ者の眠る地を守る。それは生きている者にしか出来ない事だ。そうだろう?」
「あぁ、そうだな」
「なら、私が今行っている事もまた、芙蓉の為に出来る数少ない事なのだろうな」

 ズリズリと、地を這いながら近づいていく伍丸弐號。彼の顔に微かだが笑みが浮かんでいた。今、自分は芙蓉の為、愛する娘の為に必死になっている。そんな自分に今、伍丸弐號は、林流山は満足していたのだ。
 突如襲い掛かる波が残っていた腕も吹き飛ばした。両手両足を失った伍丸弐號はまるでダルマその物と言える状態だった。
 最早今の彼に身動き一つする事は出来ない。

「残っていた腕も亡くなったか……どうやら私は娘の為に何かをすると言う事は出来ないようだな」

 止める手立てを失った伍丸弐號は無念そうに頭を地面に擦り付けた。無念だった。その一言しか浮かばなかった。何の為に自らをからくりに作り替えたのだろうか?
 何の為に大勢のからくりを作り上げて来たのか。
 何の為に……何の……
 フワリ、誰かが動けなくなった伍丸弐號を持ち上げた。五体を失った伍丸弐號はそんな自分を持ち上げる人物を見た。
 それは、つい今しがた目を覚ました芙蓉その人であった。

「ふ、芙蓉……」
「父が娘に出来る事をする様に、娘もまた、父の為に出来る事があります」
「芙蓉、お前……私を父と見てくれるのか? バグにより生前の頃の感情の大半を失い、今や
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