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駄目親父としっかり娘の珍道中
第61話 親子の絆は死んでも続く
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内の魔力が自動的に傷を修復してくれるのだから。

「そうか、あの時か……そん時の場面だけ俺は見てなかったから分かる筈ぁねぇわな」

 真相が分かった途端だった。銀時の顔が暗くなる。

「どうしたの?」
「出来る事なら、あんましこいつに魔力は持たせたくねぇし、魔法も使わせたくねぇ。こいつの中にある異常とも言える力を他の奴が知りゃどうなるか―――」

 銀時が気に掛けている事、それはなのはの持つ異常とも言える魔法に対する素質だった。彼女の持つ素質は明らかにフェイトやクロノらを遥かに凌駕している。恐らく、二人が協力して掛かっても勝てるかどうか怪しいだろう。
 それは、ジュエルシード事件を経験している銀時達ならば分かる事だ。その上、なのははフェイトらとは違い周囲の魔力を集める必要はない。ただ光をその身に浴び続けているだけで無限に戦える。どんな致命傷も完全に治せる。それだけでもかなりいんちきな話にも聞こえた。
 唯一の欠点があるとすれば彼女自身がその素質に気づいておらず、更に使い方も知らない事だ。
 もし、なのはに魔法の知識を教え込み、自在に使いこなせるようにしたらどうなるか……考えただけでも恐ろしい。
 そして、それが銀時の恐れている事であった。
 そんな恐ろしい才能を持つ人間を管理局が放っておく筈がない。是が非にでも戦力に加えようと手を伸ばすだろう。今でこそなのはの中にジュエルシード事件の記憶がなくなったのを良い事に隠れ蓑として言い訳してきたが、そのメッキが徐々にはがれ始めている。
 もし、管理局がこの事を嗅ぎ付ければどうなるかなど一目瞭然の事だった。

「銀時……」
「やらねぇよ。俺がこいつの親父である限り、誰にもやらねぇ。誰にも渡さねぇ。こいつを、薄汚ねぇ大人共の野望の道具になんざ絶対にさせねぇ!」
「銀時が、なのはの父親である限り?」
「あぁ、俺が生きている限りなのはは俺の娘だ。つまり、侍の娘だ。侍に魔法なんざ必要ねぇ。江戸に生きる以上こいつが魔法を持つ必要はない。こいつの才能は目覚めさせない。永遠にこいつの中で眠ってて貰う。それが、俺に出来る事だ」

 なのはは元はフェイトらと同じ魔法世界の生まれだ。だが、何の不運か、彼女は単身赤子のまま全く無縁の江戸の世界へと流れ着いた。そして、其処で銀時と出会った。この時からなのはは銀時の子、即ち侍の子となったのだ。なのはが侍の子である以上彼女の魔法など必要はない。持つ必要も使う必要もない。
 そうなれば、否応なく彼女を戦乱の渦へ誘う事となってしまうのだ。そんな事は絶対にさせない。
 もし、なのはを魔導師として目覚めさせようとする者が居るなら、その者を銀時は打ち倒すだろう。なのはの力を求めて襲い来る者たちが居るのなら、銀時はそれを叩きのめし、打ち滅ぼすだろう。
 それが
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