第61話 親子の絆は死んでも続く
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で激しい揉め事が起こっていた。どうやら源外が言う腐れ縁と言うのは間違いではないようだ。
「おい爺さん。何時までも尻好みの喧嘩してねぇでさっさと帰ろうぜ。床で何時までも痺れてる奴らを引っ張ってかなきゃなんねぇんだからちったぁ手伝え」
「ったく、ちったぁ老人を労わりやがれってんだ」
ぶつくさ言いながらも重い腰を上げ、源外は歩き出す。まわりでは未だに毒が抜けていないのか身動き一つ出来ない仲間達が顔だけ銀時の方を向いている。
「銀さん、良いんですか?」
「何がだよ」
「その、あいつを倒さなくて……」
「良いんだよ。今のあいつにゃもうこれ以上騒ぎを大きくする気なんかねぇだろうからな。表で暴れてるメイド達もその内大人しくなるだろう」
「でも……なのはちゃんは―――」
新八の言葉に銀時が視線を落とす。今、彼の腕には物言わぬ骸となってしまったなのはが抱き抱えられている。胸に空いた穴が何とも痛々しく映り………
「あれ?」
ふと、銀時は其処で気づいた。穴が開いているのが服だけだったのだ。確かに銀時の目の前でなのはは胸を貫かれた筈。なのにその貫かれたと思われる個所は服に穴が開いているだけで中に傷は一切ついていないのだ。
気づけば出血も納まっている。急所を貫かれた筈なのに何故。
「どうしたんですか?」
「傷が、なくなってる」
「ゑ!?」
驚き、ざわつく中、銀時はそっとなのはの胸元に耳を近づけた。とても弱弱しい音だが、かすかに心音が聞こえてくる。
「心臓の音が……聞こえる……」
「マジアルかぁ!? なのは、生きてるアルかぁ!?」
「あ、あぁ……物凄い弱い音だったけどな。しかし傷口が綺麗に塞がってやがる。どうなってんだこりゃ?」
首を傾げる銀時、新八、神楽の三人。そう、彼らは知らなかったのだ。彼女の身に起こった事を。
「銀時」
「何だよ、お前から俺に言葉を掛けるなんざ」
フェイトの言葉に少々、いやかなり嫌そうに銀時が応じる。
「たぶん、母さんとの戦いの時と同じ現象が起こったんだと思う」
「プレシアとやりあった時の? どう言う事だ」
「あの時、なのはは母さんの魔力砲を受けて致命傷を負った。でも、庭園内を照らしてた光を吸収して、あっと言う間に傷が治った。もしかしたら、あの時と同じ現象が此処でも起こったんだと思う」
フェイトは知っていた。何しろ目の前で見ていたのだから。それは、なのはが持っていた異常とも言える治癒能力だった。以前、時の庭園での戦いの時もそうだった。あの時のなのはは激戦のせいで瀕死の状態だったにも関わらず、周囲の光を吸収しただけで全ての傷を一瞬の内に完治させてしまったのだ。
これは他の魔導師ではまず真似出来ないだろう。何しろ、致命傷を負ったところで体
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