暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
新たなる力へ
Trick68_ウェーイとか間抜けな掛け声してろ!!
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させながら素早く放つ。

螺旋した刃は空気を巻き込み、鎌鼬のように纏わりつく。

泡に触れるのは宗像のA・Tではなく、纏う鎌鼬。直接触れることなく泡を破壊できる。

自分に当たる泡と鞭を的確に捉え、宗像は迎撃に成功した。

「っ!? 簡単に≪無限の空 (インフィニティ・アトモスフィア)≫レベルの技を破壊するなよ!」

(簡単じゃないんだが、な)

内心で宗像は安堵していた、信乃の全力の技を凌ぎ切った事に。
出した技も即席とはいえ、宗像の全力を出した技だ。
傍からではネタに走ったように見える。それが宗像と信乃、両者の本気度合いは随分と違うように見えた。
その差が信乃に焦りを生みだしていた。

「もう一度≪無限の空≫を!」

それは悪手だった。

そもそも≪無限の空≫は、言い換えれば奥義である。簡単に出せるものでもない。

事実、信乃が先程はなった3つの技は、単体で出来ているわけではない。

通常の技を繋ぎ、隙を作り、その隙をついてようやく成りたった≪無限の空≫。
泡の連射にしろ鞭にしろ、その≪無限の空≫から繋げた技。

その過程を無視して放とうとすれば、必然に大きな隙が出来る。
隙を宗像が見過ごすはずもない。

「僕は、貴様を ムッコロス!」


剣の道
Trick - Spinning Dance -


自分の体を縦軸を中心に錐揉み回転させて、脚側から信乃に突撃する。
大技を放とうとしていた隙ゆえに、防御も回避も間に合わず、信乃は技を直撃した。

「グぁっ! くそ! まだだ!」

信乃は水面に足を滑らせて衝撃を逃がして体勢を整える。

だが宗像の攻撃は終わっていない。

「ネタに走って技を連発した。

 ならばシメもネタに走ってもいいかな?」

そういって、間合いの離れた信乃に向かって足を振る。
その勢いに乗って踵の刃、≪剣の玉璽≫が展開されて切先が信乃へと迫った。

(どういうつもりだ? この距離は≪剣の玉璽≫の範囲外だ)

≪剣の玉璽≫を製作して宗像に渡したのは信乃だ。
当然、≪剣の玉璽≫の間合いも把握している。
調律して渡したのも、今日の朝だ。距離を伸ばすために短期間で改造するのは不可能だ。

(なら、なぜ?)

平常心の信乃であれば答えを出せたかもしれない。
だが、先程≪無限の空≫を負かされて動揺する頭脳では答えを出す事が出来なかった。

排除(パージ)

宗像の命令に応じて≪剣の玉璽≫が踵から外れ、勢いのそのままに信乃を襲う。

「なっ!?」

予想外の攻撃に1テンポ遅れてしまい、避ける余裕がない。
ギリギリのタイミングで飛んでくる刃を蹴り落として防御に成功した。

しかし、それは宗像の想定内
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