第十八話 姉妹の力その六
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「より強い怪人を出して来るとかか」
「そうしたことも有り得ると思わないかしら」
「そうなるな、言われてみれば」
「そうよね、けれどね」
「あっ、そろそろね」
ここでだ、暫く二人の手合わせを見ていた裕香も言ってきた。
「時間ね」
「門限か」
「うん、もう寮に帰らないと」
「だからな」
こう言うのだった。
「ここはね」
「そうか、それじゃあ」
薊も裕香の言葉に顔を向けて応えた。
「帰るか」
「うん、それでお風呂入って晩御飯食べよう」
「腹も減ったしな」
「私もね。今日は黒蘭が食事当番だけれど」
鈴蘭こう言うのだった。
「これでね」
「帰るんだな、あんたも」
「お家にね」
「やっぱり家に住んでるんだな」
「二人でね」
その黒蘭と、というのだ。
「住んでるわ」
「親御さんとかいないんだな」
「元々孤児だから。義理の親戚はいてくれているけれど」
「ふうん、そうか」
「ええ、今は二人で住んでいるのよ」
「今度あんた達の家に行っていいかい?」
薊は自分から鈴蘭に切り出した。
「そうしてな」
「ええ、いいわよ」
鈴蘭は薊の言葉を断らなかった、それどころか微笑んでそのうえでこう答えた。
「お茶を用意しているわね」
「いや、気を使わなくていいよ」
それはとだ、薊は笑って鈴蘭に返した。
「そこまではさ」
「気を使わなくていいのはそちらよ」
「あたしがかよ」
「そう、お茶位はね」
いいとだ、薊も微笑んで鈴蘭に言う。
「何でもないから」
「そうなんだな」
「それ位のお金はあるわ」
そうだというのだ。
「私達にもね」
「そういえばあんた達二人暮らしだよな」
「今はね」
「どうやって暮らしてるんだい?」
具体的には生活の糧についてだ、薊は鈴蘭に尋ねた。
「あたしは孤児院暮らしで今も院長さんに助けてもらってるけれどな」
「そのことについてもね」
鈴蘭は薊に笑ってこう返した。
「お家で話すわ」
「そうか、それじゃあな」
こう話してだ、そしてだった。
薊は鈴蘭にだ、あらためてこう言った。
「じゃああたしだけじゃなくてね」
「そちらの娘もよね」
「ああ、裕香ちゃんも一緒でいいかい?」
薊は鈴蘭だけでなく裕香にも顔を向けて尋ねた。
「それで」
「私もなの」
「ああ、二人で行かないかい?」
「別にいいけれど」
裕香は特に嫌がることなく薊に答えた。
「何も予定ないし」
「じゃあ決まりだな」
「そうね、それじゃあね」
こうしてだった、薊は裕香と二人で鈴蘭達の家に行くことになった。そうしたことを話してだった。薊は約束の時にその鈴蘭達の家に行った、するとその家は。
マンションだった、どちらかというと高級と言っていい部類の。薊はその
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