第十八話 姉妹の力その二
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「それは」
「ああ、気な」
「どんな感じだったの、それは」
「結構強かったか?」
実はそこはあまり見ていなかった、それで薊は曖昧な顔と調子で答えた。
「そうだったか?」
「強かったのね」
「悪い、あまり見てなかったよそこは」
自分でもこう言う薊だった。
「ちょっとな」
「そうなのね、けれどよね」
「ああ、結構強かったよ」
ちょっと見た限りでは、というのだ。思い出しながらの言葉だ。
「それなりにな、だからな」
「あの娘もなのね」
「戦えるよ」
このことは間違いないというのだ。
「あたし達みたいにな」
「確か剣道部だから」
菫は鈴蘭の所属している部活のことから話した。
「だから戦いの時は刀を使うわね」
「だろうな、やっぱり」
「私もそうだしね」
菫は笑ってこうも言った、自分が使う薙刀のことをだ。
「武器は自分が得意としているもの、合っているものだからね」
「日本刀なあ、あれ相当斬れるんだよな」
「確かに斬れるけれど」
それでもだ、菫は薊にこのことは断った。
「相当な技量が必要よ」
「そうらしいな、日本刀は」
「ええ、かなり難しいのよ」
日本刀を使いこなすことはだ、それこそ片手で人を斬ろうと思えば剣豪と言っていい程の力量が必要である。
「使いこなすことがね」
「じゃあ鈴蘭ちゃんは」
「それで戦っているのなら」
それなら、というのだ。
「相当強いわね」
「剣道が、か」
「そう思うわ」
「ちょっと道場の方言ってみる?」
向日葵がここで提案してきた。
「ここは」
「本人を見てか」
「そう、その剣道をね」
そうして確かめてみてはどうかというのだ。
「そうしたら?」
「だよな、百聞は一見にしかずっていうしな」
「だからね」
それでとだ、向日葵はまた薊に話した。
「道場に行ってみたらどうかしら」
「よし、それじゃあな」
薊は向日葵の提案に頷いた、そしてだった。
その剣道部の道場に行くことにした、しかし。
薊はまずは自分の部活に出た、この日は拳法部の部活に出ていた。そこで汗を流してそうしてからだった。
剣道部の道場に行った、するとだった。
丁渡部員達が帰ろうとしていた、ソフトボール部の部活が終わって合流した裕香と共に来たが二人で見たのは丁渡道場から出る女子部員達だった。
その彼女達にだ、薊は声をかけた。
「なあ、いいか?」
「ええ、どうしたの?」
「鈴蘭ちゃんいるかい?」
薊は女子部員の一人にダイレクトに尋ねた。
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