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美しき異形達
第十八話 姉妹の力その一
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               第十八話  姉妹の力
 薊は智和の屋敷の応接間に集まった時に裕香と一緒に鈴蘭と茶室で話した時のことも仲間達に話した、当然裕香も一緒だ。
 智和もいて全員でイギリス風のティーセットを囲んで話をしている、桜はそのミルクティーを飲みながら薊と裕香の話を聴き終えてから言った。
「お二人共悪い方ではないですね」
「ああ、それは間違いないよ」
「そうですね、ですが」
「二人だけで充分とかな」
「孤高というのでしょうか」
 二人でもだというのだ。
「それは」
「群れないか?」
「そうした感じの方々の様ですね」
「そうなんだよ、とにかくな」
「お誘いは断られましたね、お姉様の方も」
「ああ、それがな」
 どうにもと言う薊だった、ティーセットのチーズケーキを食べながら。
「残念だよ」
「しかしですね」
「ああ、まだな」
「お声をかけられるのですね」
「そのつもりだよ」
 それは諦めないというのだった、薊も。
「また誘いかけるよ」
「では私も」
 桜も微笑んで言った。
「お二人にお声を」
「いえ、待って」 
 桜が言ったところでだ、菖蒲がスコーンを食べる手を止めてこう言って来た。
「あまり声をかけると逆効果よ」
「ああ、しつこいと思われるからか」
「だからですね」
「そう、しかも二人でとなると」 
 余計に、というのだ。
「だからここは薊さんだけが」
「あたしが時々か」
「タイミングを見てね」
 つまり声をかける間隔を考えて、というのだ。
「何度か声をかけていくべきよ」
「仲間に引き入れるならか」
「確かに私もまとまった方がいいと思うわ」
 力を持つ者同士でだ。
「六人より八人よ」
「仲間は多い方がいいよな」
「お友達もね」
 その見方においても、というのだ。
「多い方がいいわ」
「そうだよな、けれどな」
「けれど。どうしたのかしら」
「菖蒲ちゃんも友達多い方がいいっていうんだな」
「そのことが意外というのね」
「ちょっと気を悪くしないでくれよ」
 こう前置きを言ってからだ、薊は菖蒲に話した。
「菖蒲ちゃんって少ない友達と深く付き合うタイプに見えたんだよ」
「確かに深く付き合う方ね」
「けれど友達多く欲しいんだな」
「私はその考えよ」
「そこがちょっと意外だったな」
 こう菖蒲に言うのだった。
「友達は多い方がいいか」
「私としてはね」
「多く深くか」
「そうよ」
「そのことがよくわかったよ、意外って言えば意外だったけれどな」
「そういうことでね」
「ああ、とにかくな」
 薊は菖蒲と彼女についての先入観を述べた後でさらに話した、話題を戻して。
「あの二人は時々あたしが声をかけるな」
「しつこいと思われない程度でね」

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