第一章
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やっぱりいい娘なんだろうな」
「顔もいいしな」
「可愛いだけじゃないですよ」
薫はまた言うのだった。相変わらずロケットの中の少女を見ながら。
「心が。とても」
「いや、それはわかるけれどな」
「けれどそれでも今の御前はな」
皆とにかく呆れている。しかし彼の耳には入っていなかった。
「おかしいどころじゃないからな」
「そこまでいいのかよ」
「いいなんてものじゃないですよ」
うっとりとして話すのだった。
「この彼女がいてくれて。天使ですよね」
「天使かよ」
「こりゃもう言っても無駄か?」
しかしこうは言っても言わずにはいられない面々だった。
「けれどそこまで好きになるのは何なんだ?」
「可愛いのはわかるけれどな」
「可愛いだけじゃないですから」
やはりここでも周囲を見ているのだった。
「佳澄さんは」
「それで今から行く場所はよ」
「こっちってよ」
皆今進んでいる道はそのクレープ屋への道だった。皆かなり憮然としながらもそれでも薫に付き合ってその道を一緒に進んでいるのだった。
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