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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―我/汝、悪である― @
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火龍と鷲獅子、二つの龍角を得たアジ=ダカーハはそれを石畳に投げつけ、自らの分身にそれを与えた。
結果、双頭龍は大嵐の化身となって咆哮をあげ、フェイスレスに襲いかかった。

さらに上空では、アジ=ダカーハが主催者の一人を倒されて意気消沈したプレイヤーに向けて牙をむいた。
その場にはレティシアと鵬魔王が駆け付け、その片翼こそ奪ったものの・・・彼はそんなこと気にもしないで、個人として持つ最大の恩恵。世界の三分の一を滅ぼすと伝えられた閃熱系最強の一撃、“覇者の光輪(タワルナフ)”を、空中城塞に向けて放った。

それは空中城塞を落とすのではないかと思われたが、耀が最強種、“原初龍・金星降誕(ケツアルコアトル)”を創造し、そこに殿下の疑似創星図、“アヴァターラ”の補助が入ることによってその軌道を変え、防いで見せた。

こうして生まれた奇跡の連続。三頭龍はそれに対して、自らの持つ最大の一撃を防がれたことに対して、耀に報復の意味も込めて攻撃を放つが、ここでまた一つの奇跡が起きる。

ジャックが、その身を魔王に堕としてアジ=ダカーハの一撃を防いだのだ。
堕ち方としては、考えられる限り最悪のもので。

ジャックは、自らの主催者権限で開催するゲームに、無条件で自分が有利になるルールを、大量に盛り込んだのだ。当然、そのようなことをすれば膨大なロジックエラーが発動し、そのゲームは強制的に終了させられる。

さらには、その手法によって膨張した霊格は自壊し、死後も天界から罰を受け続ける。
後見人であった聖ペトロとクイーン・ハロウィンも、黙っているはずがない。ジャックの事を信じ、信頼したからこそ後見人を請け負ったというのに、そこに泥を塗ったのだから。


だがしかし、ジャックはその全てを覚悟したうえでアジ=ダカーハを討たんとする。

悪を以って巨悪を討つ。
自らの歩んできた畜生の道に、大輪を添える。

その覚悟があることは、誰の目から見ても確かだ。事実、絶対悪であるアジ=ダカーハもその覚悟の中に正義を感じ取り、全力で答えている。
誰も、その覚悟を邪魔しようとは思わないだろう。・・・普通なら。

ここには、その覚悟を許せないものが一人、いた。

彼は刀を抜刀し、それを上段に構える。

「ふざけんなよ、ジャック・・・!」

そしてそれを振りおろし、主催者権限を発動した。
白黒(モノクロ)の契約書類を振りまき、全ての主催者権限を強制的に終了させる、外道の主催者権限を。

当然、その瞬間に発動していた主催者権限は全て、強制的に終了させられた。
『GROUND COVER on the MOON SEE』も・・・『Jack the monster』も。

それによって、主催者権限によるブーストをしていたジャックはその
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