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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―我/汝、悪である― @
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ものと同じ契約書類があった。

「さあ受け取れ、アジ=ダカーハ!俺が、我が一族の功績をもって開催するこのゲームを、受けて見せろ!」

一輝はそれを投げ、アジ=ダカーハはそれを受け取って初めて、契約書類の文面を見た。

今ここに、外道の主催するするゲームが、始まった。


『 − ギフトゲーム名“一族の物語 ―我/汝、悪である―”


 我らが一族は、外道である。
 外道であるが故に悪であり、外道であるがために悪を学ぶ。
 外道であるが故に悪をさばき、外道であるがために悪となる。
 あぁ、何故我らは外道を名乗るのか。
 我らは何故故に、民より悪として認識されるのか。
 我らは何故故に・・・恐怖と畏怖を捧げられるのか。
 我らは時に神としてあがめられ、時に悪として裁きを受ける。

 汝ら民を守ってきたのは誰だ!?
 日の国の民を・・・否、我がいる世界の民を守ってきたのは誰だ!?
 それは我らである!
 我らは大いなる妖怪と契約し、その力を借りて世の歪みを殺してきた。
 人も、妖も、神ですら殺めることのできぬ存在を、我らは屠ってきた。
 時に死を覚悟し、時に契約を結び、時に死を対価として。
 我らには、その事実による栄光は決して訪れない。
 その事実を知るものはいない。
 我ら一族以外には、彼らを殺すことは出来ないのだから。
 妖怪であれ、魔物であれ、霊獣であれ、神であってさえも、歪みを殺すことはできない。
 そして、その存在を伝えることも出来ない。

 我が一族には、様々な鬼道がいた。様々な・・・六十二の道があった。

 一人(初代)は、一族のために道を作り出した。
 世界の民を守るために、禁忌とされていた妖怪との契約を交わして。
 事実を民が知ることはない。
 ただひたすらに侮蔑を向けられると分かっていて、それでもそんな民を守ろうとした。
 だからだろうか。陰陽師としての名も無く、動いていたのは。

 一人(二代目)は、初代の遺志を継いだ。
 初代の遺志を継ぎ、生涯で一度、歪みを屠って見せた。
 だが、二度目は無かった。
 二度目の邂逅、そこで彼は命を失った。

 一人(三代目)は、歪みと邂逅することはなかった。
 だがしかし、契約によって得た力で霊獣を殺し、一族の名を汚名から拾い出して見せた。

 一人(四代目)は、これまでの道のように、何かを残すことは出来なかった。
 だが、先代の作り出した道を、闇に閉ざされた道に差す光を広げることは、やって見せた。

 一人(五代目)は、数々の妖怪を屠り、封印して見せた。
 だんだんと消えていく汚名の中で、彼女は希望を見出していた。
 だからこそ、命の尽きるその瞬間まで、人に仇名す妖怪を、人のために屠ってい
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