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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―我/汝、悪である― @
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いるものか、他の主催者権限が解除されたことに対する驚きが多くを占めている。
唯一、アジ=ダカーハだけは二人の様子をただ静かに見ていたが。

「我が一族はお前の魂を、力を、恩恵を、その全てを幼子の笑顔のために、幼子の命を守るために使う。汝それを受け入れるのであれば、名を名乗り、魂を献上せよ。」
「・・・それは、本当に罰なのでしょうか?」
「ああ、罰だよ。まず一つ目に、お前はこれから先永遠に、捕らわれ続けるんだ。俺が死んでも、この契約は子孫であったり、何かしら檻をもっている人間に継承されていく。二つ目に、幼子の命、笑顔のために必要なら幼子を殺すのにも使える。外道がそれをしないって保証は、どこにもないからな。」

一輝はそう言いながら、見るものが恐怖しそうな笑みを浮かべる。

この奥義には、相手が弱っていれば弱っているほど契約に乗ってきやすくなるという、相手の心を操る式も存在している。
一輝がそれを使っているのかどうかは分からないが・・・ジャックは、

「・・・魔王、“南瓜の王冠(パンプキン・ザ・クラウン)”。この魂、どうか幼子のために・・・」

契約に乗り、その存在全てを輝く霧へと変えて・・・一輝に封印された。
そして、そこでようやくアジ=ダカーハへと目を向ける。
ずっと一輝たちを見ていた三つの頭も、一輝と視線を合わせる。

「・・・よう、アジ=ダカーハ。その首をもらいに来たぞ。」
『ほう・・・それは、友の覚悟を蔑にしてまで成したいことなのか?』
「ああ、成したいね。俺の手で、お前を殺したい。」

一輝はそう言った瞬間に跳び、獅子王でアジ=ダカーハを斬りつける。

『そうか、そうまでして私を殺したいか!いいだろう、その意思絶対悪たる私が受けて立つ!』

そして、彼の彼たる故を宣言した。

『来るがいい、英傑よ。そして踏み越えよ―――我が屍の上こそ正義であるッ!!!』
「残念ながら、俺は英傑なんて立派なもんじゃない。・・・折角だ、俺も正しい名乗りを上げるか。」

そして一輝も、それに答えた。

「我は悪である!忌まれし外法をもって力を得、民より悪と罵られるが故に!」

右手をあげ、そこに今回のゲームの契約書類。一輝のゲーム開催と同時に降り注いだものと同じ文面の、黒く染められた契約書類を持つ。

「我は善である!民に、妖に、神に、全ての者に倒せぬ悪を討ち取るが故に!」

左手をあげ、そこに今回のゲームの契約書類。一輝のゲーム開催と同時に降り注いだものと同じ文面の、輝く契約書類を持つ。

「我は外道である!善の道悪の道、その双方を踏み外したが故に!」

そして、両手を打ちつけ・・・二つの契約書類を、混じり合わせる。
そこには白黒(モノクロ)の、今この場にいるプレイヤーが持ている
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