第X章 熾る不死鳥
第027弾 「襲撃」
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をひねる。
座標移動の転移には残念ながら、一秒以下のタイムラグが生じる。本来なら問題無いのだが、あの機関砲に対してはそんな悠長な事は言っていられない。当たってしまえば......即、人間蓮根だ。
機関砲によって数多の銃弾が放たれ、その初弾が───回避行動をとっている俺の胸に着弾する。
「っ────が、ぐぅ───!!」
呼吸が止まる。
今まで辛うじて動いていた肺が、機能を停止する。が──その痛みと同時に座標移動が発動し、体が機関砲の猛攻から逃れる。
「ぁ───、く───」
転移し、ラプターと離れた距離は500m。相手にとっては一瞬で詰められる距離......。なら、何よりも優先するべきは肺の再起動───。本来、こんな状況じゃなければ絶対にやらないが......まぁ、仕方ない───
先ほど受けた銃弾と同レベルの衝撃──全力の拳を胸に......より正確に言うなら肺に打ち込み、無理やり動きを再開させる。
「っ───がぁ、ぅ───」
衝撃で、血が口から漏れる。
痛みで泣きそうだ......が、俺が今涙をこぼして、止まる訳にはいかない。敵機──二機のラプターは俺を絶対に逃がさないと、今も標準を俺に合わせている。
「───、───」
手榴弾のピンを抜き、コックピットの中へと直接転移させ......確実に命を奪う───
───轟音が鳴り響く。
手榴弾を撃ち込んだラプターは爆炎を上げ、墜落して行った。
「は──ぁ、───残り一機!!」
今までの戦闘行動で乱れた息を整え、次の行動に移る。
武器として使うのは今さっき破壊した、ラプターの破片。それを破損していないラプターの目の前に転移する。
目の前に出現した破片を回避する為に、ラプターは機体をずらし避けようとする────が
「───じゃあな、馬鹿」
回避の為の無理な向き変更で、ラプターの速度が一瞬だけ落ちる──だが、それで充分。ラプターのエンジン部にある死点を正確に狙い、そこに銃弾を放ち、同時に座標移動で鉄矢を撃ち込む。
しかし、それを許すほど敵は甘くはない。
ラプターに搭載されている機関砲のみをこちらに向け、銃弾をばら撒き俺を殺そうとする。──が、俺の座標移動の方が一瞬早い。
機関砲から銃弾が放たれる前に、転移された鉄矢が着弾する。そして、ラプターは轟音と爆炎を巻き散らかし、空中で爆散した。
「っ───く、ぅ──。これは......不味いな」
戦闘行為の緊張で忘れていた痛みが再度、体に襲いかかる。脇腹から流れる血と、脳が焼けるような痛みをどうにかしないと。
「はぁ──有言実行って難しいんだな」
このザマじゃ、今日中に
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