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相棒は妹
志乃「あ」
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恐る曲線になっている階段の先を覗いてみると、そこにはゴキブリ以上に悲惨な景色が広がっていた。

 「お、おま、お前」

 なんかこの感じ、前もあったなぁとか思いながら、平常心を保とうと深呼吸をする。さっき収まったばかりの心臓がまた暴れ出す。でも、それは好奇心や嬉しさでは無く、焦りや焦りや焦りが生じた結果である。

 ううん、どうしたものか。

 ついさっき届いたばかりのマイクがバラバラになってるこの状況を、どうすればいいだろうか。

 「兄貴、ごめん。慌てすぎた」

 志乃が申し訳なさそうに頭を下げてくる。俺は「大丈夫」とか言いながら頭を上げてもらう。こんな事で怒ってちゃやってられないだろ。

 でも、まだ良い方かもしれない。あのいかにも高そうなオーディオインターってやつを粉々にされたら、さすがに説教モードに入るかもしれないし。

 マイクなら、単品で通販で頼むか量販店で良いやつ見つければ間に合うだろ。それに、今すぐ始めるわけじゃない。時間はまだたっぷりある。

 俺達はマイクの残骸を集め、それをゴミ箱に捨てた。とても直せそうには無い状態だった。

 部屋に戻り、説明書を読む。だが、そこに補償みたいな内容は書かれていなかった。ここから取り寄せるのは出来ないのか。

 「しょうがない。通販で頼むか」

 暗いテンションを盛り上げるように声を上げ、志乃のパソコンでマイクについて調べる。だが、同じマイクはすでに売り切れており、他のマイクを頼むしかなかった。

 だが、志乃はそれを頑なに拒否した。どうしても赤いマイクが良いのだと言う。

 まぁ、確かにあれはかっこよかった。俺があれを使って歌ってるとか、めっちゃイケてねとか、少しは考えたりしていた。

 「じゃあ、今度俺が家電見て回って探してくるわ。通販限定じゃないだろ、それ」

 「私も探す」

 「じゃあ別々のところ探してみるか。それでも無かったら通販で同じ性能の色違い買うしか無いな」

 そう言って、この問題は何とか道を開く事に成功した。機材も丁寧にしまい、俺の部屋に保管する事にした。最後に志乃が深く息を吐いたのを、俺は見ていた。

*****

 四月も早く、もう下旬だ。今週末はすでに五月に突入し、土曜日からはゴールデンウィークだ。これまでは部活とかで忙しかったが、今年は異常なまでに暇だろう。それはそれでどういう一日を過ごす事になるのか、少しだけ気になっていたりする。

 しかし、現実は三日四日程ジャンプさせてくれはしない。ゴールデンウィークまでの残りが本当に無駄だった。普段以上に細かな描写であるように感じるのだ。

 今日はまだ月曜日。先は長い。

 「葉山君おはよ!」

 そんな俺に対し、本山はいまだに密接に絡
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