とある兄妹の微量青春
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の想い人以外には素直にはならないと。まず、俺と父さんは無いな。
「父さん?誰それ?」
……父さんが今すげえ可哀想になった。あの人、実の娘に忘れられる程にいらない人なのかよ。
「そんな変態紳士よりも兄貴の恋バナ。さっきからエロい話しかしてないじゃない」
ああ、そうだな。えっと、今好きな人はいないから、次は前に好きだった人になるのかね。
「そうなるね」
マジか。えっと、あれだ。お前、俺のタメの竹下徒折って奴知ってるか?」
「うん。『竹下通り』ってからかわれてた吹奏楽部の人だよね。もしかして、兄貴はその人が好きだったの?」
ああ、うん。まあね。……こうして改めて言ってみるとマジで恥ずかしい。志乃も好きな人とか言えよ。一人はいたんだろ?
「今は兄貴の方が気になる」
そうですか。……まぁ、話続けるか。竹下は俺が中一だった頃同じクラスでさ。小学校は違ったからその時に初めて知り合ったんだよ。
「でも、出席番号順だと席は遠いんじゃないの?」
そう。それに、入学当初は全く気に留めても無かったし。その時は赤の他人同然だった。でも、初めての席替えで隣になって、そっからちょっとずつ気になってったんだよ。
「中一から青春してたんだ。兄貴のくせにやるじゃん。あの時の兄貴は剣道だけかと思ってた」
まぁ、ぶっちゃけた話、俺の中学の思い出は学校生活よりも部活だしね。ただ、異性が気になるお年頃ってのは誰にもあるもんなんだわ。それを知って、俺は竹下に恋するのは変な事じゃないって気付いたね。
「あっそ。で、兄貴は竹下先輩とどこまでいったの?」
俺の感想は無視かよ。別に良いけどさ。えっと、竹下とどこまでいったかだって?そんなの、言うまでも無いだろ。
コクっても無いし、付き合っても無い。めっちゃ仲良かっただけで、二年からは違うクラスになっちまった。
ただ、体育祭の準備で同じ係になってさらに仲が深まったぐらいかな。あの時はマジで楽しかったな。
「プッ」
笑うな!いやぁ、あの頃の俺は告白するだけの勇気が無かったというか、お喋り出来て十分だったというか、そんな感じだ。
「兄貴、顔赤いよ」
そりゃ、これだけ赤裸々告白されれば誰だってこうなるだろうね。
「にしても、兄貴は本当に意気地なしだよね。もしかしたら竹下先輩も兄貴に気があったかもしれないのに」
いやいや、それは無いって。あいつは恋愛とかそういう方面には詳しくないタイプだったし。
「そういう人に限って本性が凄かったりするもんだよ。他の人に『葉山君が貴方に気があるよ』とか言われたら余計でしょ」
ああ、その流れな。それは中二か中三の頃だな。
「兄貴、竹下先
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