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ロックマンX〜朱の戦士〜
第五十二話 Enigma
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い。
度重なる戦乱の果てにその殆どが大破し使用不能となってしまっているのだ。

ルイン「政府には?」

シグナス「報告済みだ。間も無く全世界に向けて最寄りのシェルターへの退避勧告が発せられるだろう。たった16時間で果たしてどのくらいの人々が避難可能な事か、誰がどう見ても状況は絶望的だ。しかし…我々までが絶望する訳には行かない。そのためにプランを2つばかり思案してみた。ダグラス」

ダグラス「おう」

シグナスに言われて席から立ち上がったのはハンターベースの優秀なメカニックであるダグラスである。

シグナス「まずは大出力兵器による地上からの狙撃。とは言え…皆も知っての通り、ここ最近の一連の争乱によってそれを可能とする兵器の大半は失われてしまっている。しかし…唯一大気圏外の標的を破壊する事が可能であろうと思われる兵器が存在した。それがこの…」

ダグラスがコンソールパネルを叩き画面上に巨大な砲台の映像を映し出す。

シグナス「今から約100年前の大戦時に建造されたと言われているギガ粒子砲・“エニグマ”だ」

だがシグナスの説明を聞いても周囲の反応は冷ややかだ。
寧ろ落胆の空気が蔓延していくのが目に見えて分かる。
エニグマは最新式の同型兵器に比べ命中精度やエネルギー効率などで大きく性能が劣るばかりではなく、既に数十年に渡りまともな整備も行われていないため今では正常に作動するかどうかすら危ぶまれているのだ。
そればかりか、場合によっては暴発しユーラシアが落下する前に地上に甚大な被害を及ぼす危惧さえある。
そんな物に縋らざるを得ないのだから、つくづく今世界が直面している事態の絶望さが実感できると言うものだ。

エイリア「そして、エニグマ作戦が失敗した場合のもう1つの作戦がスペースシャトル作戦。出来ればあまり使いたくはないけれど。ハンターベースのシャトルに大量の爆薬を積みそれをユーラシアに激突させる作戦ね。それもシグマウィルスの影響でオートパイロットが機能しないため、誰かが操縦してユーラシアに向かうと言うまさに命懸けの特攻作戦と言う事になるわ」

更に告げられたエイリアの言葉に場の空気が凍りつく。
エニグマ作戦にしろスペースシャトル作戦にしろ共に成功率はあまりに低く、しかも命の危険さえ伴う。
誰もが絶望感に打ちひしがれ、言葉さえ満足に発する事が出来ない。
そんな一同を見回しシグナスが言う。

シグナス「言ったはずだ。我々までが絶望する訳には行かないと。どちらも極めて危険で…しかも成功率に関しては殆ど賭けだ。しかし…それでも可能性はゼロでは無い。無論シャトルは最終手段だ。今は限られた時間の中で出来る限りエニグマを整備し、ユーラシア狙撃の体勢を整えるのだ。で、ダグラス。エニグマの状況は…」

ダグラス「簡単なチ
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