志乃「兄貴の乳臭い恋話が死ぬほど聞きたいだなんて、一っっっっっっ言も言ってないけどね」
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れは紛れもない事実で、それこそ俺に否定の余地は無かった。
一つは俺の予想通りだった。だが、もう一つは全く考えもしなかった。本山の本性を誰かに伝える?そんな事をしても信じられる筈が無いし、本山ファンの奴らに袋叩きにされそうで怖い。
どういう事かと視線で問うと、志乃は意を汲んだとばかりに理由を話し始める。
「誰かに、少しでも本山さんに対する疑念を感じさせればいいの。そうすればきっと、あっちは何もして来なくなる。本山さんは裏で人を操るのが得意だから、少しでも疑いの目を向けてる皆の反応を見れば、明るい子を演じ続けるしかない筈。いつ起こるか分からない男子の闇討ちも無くなって、一石二鳥でしょ」
俺はその時、妹の頭のキレに素直に驚いていた。まさか、そこまで考えていたなんて。もっと早く事情を説明しておけば良かった。やっぱり、こいつは俺よりも膨大で豊富な経験をしている。だからこそ、クラスの誰よりも大人びている事だろう。
「そうか、そういう事か!悪いなホント、いつも志乃に迷惑かけちゃって」
「別に迷惑がっては無いけど。でも、そこまで言うなら何かご褒美頂戴」
志乃がこんなことを言うなんて珍しいと、俺は思った。いつも何かが納得出来たらとっとと俺との会話を終わらせるのに。まぁ、細かい事は良いや。とりあえず適当に案を出してみよう。
「明日、ファミレスにでも行く?」
「私の私服、知ってる?」
あ、確かにそれはマズイ。体操服姿の少女がファミレスに入店するところなんて想像も出来ない。というか周りの視線が気になって料理の味が分からなそう。
「じゃあカラオケは?」
「飽きた」
お前が飽きてどうする。いつもジュース飲んでるだけじゃん。
「んー、なら俺の宝物をお前に託すってのはどうだ?」
これは良い取引だろう。俺の宝物、竹刀を託すって言ってるんだからな。これで護身用にでも出来るだろう。
「兄貴の宝物、臭そう」
「臭いとか言うな!」
でも、実際少し汗臭さが柄のところにこびりついてるんだよな。もしもこれに気付いたら、母さんとかに報告されて防具無しで面やられそうだから取り消そう。
「なら、志乃から何か出してくれ」
「何でも良いの?」
「俺が了承出来る範囲なら良いよ」
「じゃあ、恋バナ」
……は?
こいつ何言ってんだ?俺と恋バナ?兄妹同士で恋バナ?いやいや、どう考えてもおかしいだろ。ゴキブリが人類から忌み嫌われているぐらいに変な話だろ。
「私は言わないから」
しかも、恋バナの主役は俺だけらしい。普通、互いに好きな人を告白してキャーキャーするのが恋バナなんじゃないだろうか。いや、未経験の俺の知識だと間違
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