第一章
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から述べた。
「よく考えたら仕方ないわね」
「合コンって普通は」
「そうよ、制服ではしないわ」
それはまず有り得ない。私服を決めて参加するのが常識である。言った側から気付いた波江が迂闊であった。
「御免なさい。そうだったわね」
「ところでさっきの人だけれど」
知美は少し強引に話を戻してきた。波江もそれに乗る。
「樫葉高校なのよね」
「そうよ」
波江は知美のその言葉に頷いてみせた。それは間違いなのだ。
「確実よ。今あたし達が飲んでいるのがマックシェイクなのと同じ位確実よ」
「わかったわ。それじゃあ」
おっとりとした感じでその言葉に頷いてみせた。
「話はわかったわ」
「わかったってあんた」
怪訝な顔で知美を見てから彼女に問うた。
「一体何考えてるのよ」
「何も」
垂れ目がさらに垂れる。それだけを見ればあどけなく見えた。
「わかったわ。とにかくね」
「そうなの。とにかくわかったのね」
「うん」
今度の返事は少ししっかりとしたものであった。
「そういうことだから。確か樫葉高校だったら」
「ええと。そういえばね」
波江も頭の中で己の頭の中のデータを検索しだした。その結果頭の中からあるものが幾つか弾き出されたのであった。
「あたし達の中学校からは」
「通ってる子がかなりいるわよね」
「そうだったわよね」
実はこの二人は小学校から一緒なのだ。所謂幼馴染みであり親友同士というわけだ。だからお互いのことが非常によくわかっているのである。だから波江も知美が今何を考えているのかはわかっている。わかっていて一緒にいるのだ。
「それだけよ」
「それだけなのね」
「あの人の顔はもうわかったから」
また言うのだった。
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