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真鉄のその艦、日の本に
第十一話 人として、人でなしとして
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「その通り。お前らがわざわざ日本に戻ってきてくれたからな、発見も楽だったよ。中央司令部のデータベースの書き換えを見つけてな。そっから中央司令部に潜入してるお前を割り出して、まぁ後は今まで傍に居て、お前らのやってる事を局長に報告してたって訳だ。」
「……という事は、一緒に東機関から脱走した仲間だっていう記憶は……」
「ああ。嘘。全部偽の記憶だ。俺はお前と違って、具体的エピソード記憶まで植え付ける事が可能なんだよ。お前も、自分が騙される事を警戒してはいただろうが、普通の記憶と見分ける事は出来なかったみたいだなぁ。お前が出来なきゃ、誰にも出来ない。」

風呂元の体から力が抜け、くたん、とへたり込む。中野はそれを見てニンマリした。

「楽しかったよ。お前らとやった反逆者ごっこは。すげぇ壮大な復讐だった。いや、それを言ったら可哀想か。これを計画したお前自身は、東機関に捨てられた訳というでも無いし、恨みというより、本気でこの国をマトモにしようと思ってたんだから。」

バァーーン!

銃声が響く。銃弾は風呂元の脳天をぶち抜いて、目を見開いたまま風呂元は動かなくなった。
それと同時に、悶え苦しんでいた遠沢も静かになった。

「遠沢!」

長岡はぐったりと倒れた遠沢に駆け寄り、その首からインプラントを抜きとった。遠沢はゆっくりと意識を取り戻していった。

「…………!!」

遠沢は長岡を突き飛ばし、通路の隅に四つん這いになって、大きくえずいた。胃の内容物を豪快にぶちまける。吐くものが無くなっても、何度も何度もえずいた。その背中を長岡はさすってやった。

「悪い、遠沢。もう少し早く助けに来るべきだったよ。」

こちらに歩み寄ってきた中野に、長岡はどうしようもなく苛立った。こいつこそ、今更何ノコノコやってきやがってんだ。

「おぉいお前ェ!!」

長岡は中野の胸ぐらを掴んだ。中野の雰囲気軽そうな顔をすぐそこまで引き寄せて、大きな声で怒鳴りつけた。

「お前ェ!要するに二重スパイしよったって事だろォ!こいつらが、こんな事起こすって、知っとったって事だろォ!!どうして止めんのや!どうしてこげになるまで放っておいたァ!!一体何人死んだ思うとるんや、このアホンダラがァーーッ!!」
「……それはまぁ……我々東機関にも都合や考えってのがありますからねぇ……」
「何だァ!?その考えって奴を言ってみろや!!今まで死んでいった奴らが聞いて、納得するようなもんなんだろうなぁ!?」
「いや、それはちょっと言えないっす」
「んだとォ!?お前らの、コソコソ人にも言われんようなモンの為に今まで大勢死んでいきよったって事かァーー!!」

長岡は中野を思い切り殴った。殴った拳も痛かったが、そんな事にお構いなくもう一発殴った。
殴らない
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