マクロスF
0703話
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もしかしてこいつはどこぞのゴシップ紙辺りの回し者って線もあったりするのか?
「おい、分かっているな」
小声でこっそりと呟くと、シェリルは分かっているという風に頷いて口を開く。
「いいわ、その勝負受けて立とうじゃないの!」
おいっ!?
シェリルの口から出たその言葉に、思わず内心で突っ込みを入れる。
俺からの言葉に分かっていると答えたのはいいが、その分かっているというのは、勝負を受けるという意味での分かっているという事だったらしい。
「はっはっは。きちん返事をした以上、逃げる事は出来ないが構わないかね?」
「ええ、勿論。貴方も、負けたりしたら持っているコイン全てを彼に取り上げられるのを理解しているんでしょうね?」
チラリ、と俺達の持っているコインのざっと30倍程もあるコインへ視線を向けながら、強気な笑みを浮かべるシェリル。
「よし、話は決まった。では、君。用意をしてくれたまえ」
「……分かりました」
男の声にディーラーが頷く。カジノ側にしてみれば、俺と向こうのどっちが勝っても店に被害は無い。それどころか、取っておきのイベントとして開催できる分だけ得があるって訳か。
ディーラー、男、最後にシェリルへと視線を向けて、小さく溜息を吐いて頷く。
「分かった。なら賭けようか」
「アクセル、負けたら許さないわよ」
「ああ、勿論だ。……ただし、後できちんとお礼はして貰うけどな」
「そうね、勝ったら考えておくわ」
シェリルに笑みを浮かべて送り出され、俺はディーラーの下へと向かう。
「ルールは簡単です。私がコイントスをして、手の平で受け止めるので、それをお2人が表と裏を当てて下さい。不正防止の為に、2人共同時に声に出して貰います」
そう告げ、コインの表と裏を示す。
俺も向こう側も特に何も言わずに頷き……
「では、行きます!」
その言葉と共に高く上げられたコインが回転しながら落ちてきて……
『表』
俺と相手の男の声が重なり、同時にディーラーがコインを受け取った手を示すと、そこには表側になっているコインの姿があった。
そして、ここから接戦が始まる事になる。
表、裏、裏、表、裏、表、裏、裏、裏、表。
それぞれが10回連続で正解し、次からはコインを掴み取った瞬間に手の中でシャッフルして出されたコインを当てる事になる。
裏、裏、裏、表、裏、表、裏、表、表、裏。
またもや10回連続で成功。
同時に、周囲の客達から聞こえて来る歓声。
それらを聞きつつ、小さく眉を顰める。
人外の存在である俺だからこそ全問正解していられるが、普通の人間には……いや、なるほど。
目の前にいる男の様子を見ていて気が付いた。男の右目は限りなく生身の
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