マクロスF
0703話
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ウィンクを貰いながら――ついでにシェリルからのリバーブローを貰いながら――ふとカジノの一画に30人近い人数が集まっている事に気が付く。
シェリルもそれに気が付いたのだろう。興味を引かれた様子で俺を引っ張ってその一画へと向かう。
「ねえ、何でこんなに人が集まってるの?」
「ん? ああ、ツーアップで10連勝している奴がいてな。しかもダブルアップしていっているから、もの凄い賭け金になってるんだよ」
シェリルが尋ねると、20代程の男がそう教えてくれる。
にしても、ツーアップねぇ。また随分とシンプルなカジノゲームもあったものだ。
ツーアップ。名前は大層だが、ようはアレだ。コインを上に放り投げて手の甲で受け止め、表か裏かを決める奴。コイントスと言えば分かりやすいだろう。
「なるほど。でも、10連勝とかちょっと凄いわね。確かに確率としては5割なんだから、1回や2回なら勝つのは難しくないけど、それが10回連続となると……」
「だろ? けど、特にイカサマをやっている様子も無いし、純粋に運らしい」
「……どうする? アクセルも挑戦してみる?」
「勝とうと思えば勝てそうだが……」
「そこの君、今なんて言ったのかね?」
俺が呟いたその瞬間、まるでそれを待っていたかのようにツーアップで勝ち続けている男が俺の方へと視線を向けて来る。
「私に勝てる、と。そう聞こえたが?」
うわ、面倒臭い奴に絡まれたな。だが、男の目は何故か俺ではなくシェリルの方へと向いている。
「ふむ、そこのお嬢さん。ここは皆が楽しむ場所。そのような帽子やサングラスで顔を隠しているというのは少々無粋ではないかね?」
「あら、そうかしら? この場所では色々と素顔を出さない、あるいは出せない人もいると思うんだけど?」
「……それこそが無粋だとは思わないのかね? ……ふむ、そうだな。丁度君の連れは私とツーアップで勝負しても勝つ自信があると言っている。ここはどうだろう? 私と実際に勝負して決めてみるというのは。もし私がそこの彼とツーアップで勝負して、私が勝ったら君達が持っているコインを全部と、君が素顔を晒す。逆に君達が勝ったら、現在私が持っているコインを全て譲ろう。……どうかな?」
何だ? こいつ、妙にシェリルの素顔を晒す事に拘っているな。そこれそ、まるでここにいるのがシェリルだと分かっていてやっているかのような。
この状況でシェリルが素顔を晒せば色々な意味で騒ぎになるのは確実だ。銀河の妖精と言われている程の人気を誇るんだから致命的なスキャンダルって訳では無いだろうが、それでも男と一緒にカジノに一緒にいたとなるとゴシップ紙が色々と騒ぎ立てるだろう。
何しろ、銀河の妖精のスキャンダルだ。飛び抜けた売り上げになるのは間違い無い。
となると、
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