第一章
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に半ズボン。何か寂しいよね」
「どうして寂しいの?」
「ブルマーじゃないからさ。折角洋子君の綺麗な両脚を見たいのに」
「いい加減にしなさいっ」
そう言ったところで洋子はその手に持つ鞄を振った。
「白々しい。最近いっつも体育館にいてバレー部をのぞいてるわよね」
「あいたたたたたたたた・・・・・・」
頭を思いきり叩かれた友一はその頭を抱えて呻いていた。
「本っ当に。ちょっとは人の迷惑を考えなさいよ」
「あれ、照れてるの?」
「・・・・・・何でそうなるのよ」
洋子はその言葉を聞いて顔を顰めさせた。顰めるとその目が微かに歪んだ。
「だってさ、洋子君顔が赤いんだもん」
「えっ!?」
そう言われて本当に顔が赤くなった。
「それがどうしたっていうのよ」
その赤くなった顔のまま友一に文句を言う。
「私はね、元々顔が赤いのよ。それがどうしたっていうのよ」
「ほら、嘘ついて」
「嘘って」
「洋子君いつもは顔が赤くないよ。何なら証拠見せようか?」
「証拠って」
「ほら」
彼はここで懐から何かを取り出して洋子に見せた。それは彼女の数枚の写真であった。制服を着たものやバレー部の練習の時のジャージ姿、私服で遊んでいる時のものもある。
「な、何であんたがこんなの持ってるのよ」
洋子は自分のその写真を見てその顔をさらに赤くさせた。
「だって洋子君可愛いんだもん」
友一は答えにならない答えを返した。
「ついつい写真でも見たくて。何ならあげようか」
「勿論よ」
洋子はそう言って友一からその写真を奪い取った。
「全く。油断も隙もないんだから」
「隙は見つけるものだな」
「どういうこと?」
「洋子君のことはいつも僕が見ているから。だから隙だってわかるのさ」
「馬っ鹿馬鹿しい」
たまりかねてそう言った。
「今度こんなことしたらストーカーで訴えるからね」
「それは本望だね」
やはりくじけはしない。
「洋子君に認めてもらったんだから。いつも側にいるって」
「・・・・・・ふん」
「じゃあ一緒に帰る?」
「私は嫌よ」
プイ、と顔を背けてそう言った。
「あんたみたいな軽薄な男、大嫌いよ」
「そんなに嫌い?」
「ええ」
露骨に嫌悪感を露わにして言った。
「口も聞きたくないわ。だからもう話をしない」
「けれど僕の話は聞いてくれるね」
「ふん」
顔を背けたまま口も聞こうとしない。だがそれでも友一は口を開いた。
「それじゃあ話を聞いてね。あのね」
洋子は口を聞かない。それでも友一は何だかんだと話をしながら洋子の後をついていった。そして二人は学校を後にしたのであった。
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