眷属、集めます
第24話
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人分のスペースが空いていた。そこに穴を掘り、収納の魔法陣から棺桶を取り出してフリードを寝かせる。あの世でも化け物と渡り合える様に聖剣と対魔弾の入った銃を持たせる。棺桶の蓋をして穴に棺桶を降ろして土を被せる。最後は十字を切る事もせずに他の墓と同じ様に近くに落ちていた石を墓石に見立てて名前を刻み込む。
フリードの埋葬を終えた僕はそのまま墓場を覆う様に結界を幾重にも張る。この地が二度と荒らされない様に、念入りに。全てが終わった頃には既に深夜の時刻であった。まあ、時差の関係上でまだ太陽が見えるけど。最後にフリードの墓に挨拶をしてから帰ろうと思う。
「フリード、君の仇は必ずそっちに送るから。仇は自分で取る方が良いでしょ?」
付き合いなんて殆どなかったけど、フリードならこういう風な挨拶が一番だと思う。
帰宅してとりあえずシャワーだけでも浴びようと思い門を潜ると、屋根の上で白音さんが膝を抱えているのが見えた。たぶん、手紙を渡してくれていた時に持っていた封筒、中身はたぶん情報屋からの黒歌に関しての報告で、それを読んだのが原因だろう。僕は翼を広げて白音さんの隣に降り立ちます。
「夏場とは言え、風邪を引きますよ」
僕の言葉に白音さんが驚き、距離を取ろうとして足を滑らせて、身体が宙に浮く。
「あっ」
「危ない!!」
いくら悪魔で戦車だとは言え、この高さから落ちれば怪我はする。打ち所が悪ければ最悪死さえ覚悟しなければならない。咄嗟に手を伸ばして白音さんを抱きとめて屋根から降り立つ。
「大丈夫ですか?」
「……はい」
抱きとめていた白音さんを放すと、白音さんはいつもより若干距離を離した位置に立つ。これは確実に僕が黒歌を殺すと思われてますね。まあ殺しますけど。
「何かありましたか?」
「…………祐斗さんにも言えない事です。これは私が自分で出さないといけない答えですから」
「……そうですか」
そう言われてしまえば僕が口出し出来る事ではありませんね。ですが、これだけは言っておきましょう。
「白音さんが何を悩んでいるのかは知りません。ですが、後悔する様な答えだけは出さない様に。僕が力を貸せるなら、いくらでも頼ってくれて構いません。昔から言っていますが、僕は聖職者です。それだけは忘れないで下さい」
これで伝わってくれれば良いんですけどね。この言葉の裏に隠された言葉が伝わっていれば、いえ、伝わっていて欲しいです。その答えは直前になった時に分かる。翌日からも白音さんとの距離が若干離れている。正確には白音さんが皆と距離をとっている。皆が心配しているが僕は白音さんの意思を尊重する様にとだけ告げる。
今日は若手悪魔達の会合の日。僕達は先にサーゼクス様達の席の後ろに待機している
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