第九十二話 雷刃
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ず。楽しみにしてるわよ?坊や」
そう言うと女性・・・ネヴァンの体は雷に包まれ、消えていった。そして闇慈の手に握られていたのは・・・
「エ、エレキギター!?これが魔具!?」
紫を中心とし、弦は雷で出来ているエレキギターだった。しかし闇慈は今までギターを弾いた事がないため少したじろいでいたがここでネヴァンの声がギターから響く。
【慌てないで、坊や。これは蝙蝠を操る為の指揮棒みたいなものよ。音の量で蝙蝠の数を調整して、後はどんな風に蝙蝠を操りたいかを想像すれば蝙蝠達が動いてくれるわよ。あと、ギターって言っているけれど、この魔具は鎌よ。貴方の大鎌には及ばないけどそれなりの力を秘めてるわ】
「な、なんか独特の魔具ですね。しかし雷を操れて、鎌にもなるって言うのは便利ですね。では・・・」
闇慈は慣れない手つきでギターの弦を高速で弾き、一定量の雷を纏った蝙蝠が集まると・・・
「落ちろ!落雷!!」
最後の弦の弾きで、蝙蝠達を一気に放電させ、巨大な落雷を発生させた。当然、闇慈はネヴァンの加護のお陰で無傷だ。
「これは自衛能力が強いかも、しかも蝙蝠を敵に飛ばしてダメージを与えることも出来るから【オールラウンドタイプ】の魔具か」
ネヴァンは近距離・中距離・遠距離。この三つのケースに対応しているが・・・
「しかし範囲が大きいため仲間を巻き込んでしまう可能性があるって事が、考えながら使わないといけないって訳か」
【ごめんなさいね、坊や。雷から守ることが出来るのは契約している貴方だけなの。そこは考えて私を使って頂戴】
「そこはこれから慣れていきますよ」
闇慈はネヴァンを片手に持ち替えると小猫と黒羽の元に近寄った。
「小猫ちゃん。大丈夫?」
「もう大丈夫です、先輩。傷は氣でほとんど直しましたし、魔力も黒羽さんから頂きましたので問題ないです」
「そっか・・・黒羽。ありがとね?小猫ちゃんを守ってくれて」
「いえいえ。私も役に立てたので嬉しいです。また呼んで下さいね」
そう言うと黒羽は光となってその場からいなくなった。闇慈は小猫の手を取り、優しく起き上がらせるとAMCマントを小猫にかける。先程の雷撃で服はほとんど焦げていたため、闇慈が気を聞かせてかけてあげたのだった。
「それじゃあ帰ろっか?小猫ちゃん」
「その前に闇慈先輩・・・屈んで貰えますか?」
小猫の言葉に首を傾げながらもゆっくりと屈む。
「これで良いの?小猫ちゃ・・・むぐっ!?」
「ん・・・ちゅっ」
闇慈が屈んだ瞬間、小猫がこの瞬間を待っていたかのように闇慈に飛びかかり、唇を奪う。その拍子に闇慈は小猫に押し倒される形になった。
「あ、あの・・・小猫さん?どうして僕は押し倒されているので
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