第九十二話 雷刃
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小猫と黒羽は目を見開いた。その女性は闇慈に口づけを行ったのだ。周りの男性から見ればそれは羨ましいと思える状態だが・・・
「これ・・・は、くっ!離せ!!」
持っていたルドラで二人との間に小さな竜巻を起こし、切り離した。そしてその口づけを受けた闇慈は片膝をついた。
「闇慈様!?」
「大丈夫だ、黒羽。今のは口づけを通して相手の生命力や魔力を奪う技だな?」
「そう。坊やの味、中々美味しかったわよ?」
その証拠に先ほど闇慈がつけた十文字の傷も消えていた。
そう言うと闇慈はシャドゥ・ルーラーを発動させ、自分を囲むように操り、まるで卵のような形を取った。
「あらあら。籠城のつもりかしら?でもそんなもの破壊してあげるわ」
そう言うと再び、蝙蝠を操りながら電撃を放ち、影の殻を破壊していった。そしてヒビが入り、影が砕けった瞬間、女性は再び口づけを行うとした。
「楽しかったわよ?坊や。せめて、私のキスでゆっくり逝きなさい」
「「闇慈先輩(様)!!!」」
小猫と黒羽の叫びが響き、殻が砕け散ると・・・
「えっ!?」
口づけを行おうとした女性は驚愕の顔を浮かべた。何故ならそこに闇慈の姿は無かったからだ・・・
「どういう事!?坊やはどこに!?」
「・・・悪いが」
闇慈の声が響き、女性が上を見上げた頃には遅かった。
「俺の勝ちだ!!」
落下の勢いを乗せたデスサイズ・ヘルの斬撃が女性を襲いかかり、女性はのぞけって倒れようとしたが、デスサイズ・ヘルを消した闇慈がそれを素早く受け止める。
「優しいのね・・・坊や」
しかしそのチャンスを逃すまいと口づけしようとしたが闇慈の右手には小さな魔力の球体が出来ており、それを指で弾くとまるで銃弾のように女性の腹を貫いた。
「言ったはずだ・・・俺は容赦しないと」
「・・・せめて最後のあれはなんなのか教えて貰えるかしら?」
そう言うと闇慈は説明を始めた。
あの時、影の殻は闇慈全体を覆っていたように思えたが、実は女性の視界に見える【半分】を展開していたに過ぎなかった。簡単に言うなら女性に闇慈が殻【全体】をかぶったように見せるためのフェイクだった。そして禁手を使い、姿を消し、何もない後ろから脱出し、殻を破壊して口づけを行うとしたその隙をついて上空から奇襲をかけたという事だ。
「貴様の敗因は俺の能力を全て知ろうとせずに、大技をかけようとしたことだ」
闇慈の説明に女性は軽くため息をつくと・・・
「これはやられたわ。でも気に入ったから力を貸してあげるわ」
その言葉に闇慈はハッとなり、その女性を見据える。
「もしかして・・・貴女が【ネヴァン】!?」
「そうよ。貴方の力があれば私をうまく使いこなせるは
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