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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
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札がこの後の事を考えていると十六夜が後ろからそう尋ねる。

「・・・何のこと?」
「何の事、じゃねえだろ。今お前が使ってた疑似創星図の事だよ。・・・名前も現れた現象も、全てが分からねえ。」
「それはそうでしょうね。これは、私たちの世界にしか存在しないものですから。」

そう言いながら湖札は振り向き、真正面から十六夜を見る。

「それよりも、今はやることがあるんじゃないですか?・・・兄も、そのために今準備をしてる。」
「一輝か・・・あいつは今、何を?」
「封印の解除。さすがに、今回は解かないと無理だって判断したみたい。せっかく解けるようになったんだから、全部完全に解く、って。」



  ========



一輝はゲーム盤の中で、座禅を組んでいた。
そしてそのまま右手の刻印に対して血を垂らし、言霊を唱える。

「汝、寺西一輝の封を『型破り』の名のもとに解く。今ここに、完全なる力を。」

その瞬間に席組みとして受けていた封印が解け、圧縮されていた呪力と封じられていた霊格が全て解放されてその場にクレーターができる。
だが、封印の解除はそれでは終わらない。

「第六十三代鬼道、鬼道一輝の名のもとに、一族の戒めを解く。我は世界より信仰を受け、民より憎悪を受ける。その存在、今こそ開放しよう。我らが敵を葬らんがために。」

続けて紡がれた言霊は、一輝が生まれてからずっとつけられていた封印を、解除した。
そして、一族が湖札以外全員死んだことによって一輝にまとめられた鬼道の一族の霊格が、功績が、その全てが解放され、さらには一輝という存在の本来の霊格(そんざい)が、解放される。

さらにいくつかの封印を解き、スィミとのシンクロ率も限界以上にあげたところで・・・目を、開いた。

「・・・終わったの、お兄さん?」
「ああ、これでとりあえずは全部だ。危険因子はさすがに、解放できないしな。」

ヤシロに聞かれた一輝は、そう答えながら自分の存在を安定させていく。
解除したばかりであれている存在を、だ。

「まあ、ここまで強くなればいけそうよね。」
「ええ。すぐそばにいるだけでも、一輝さんが強くなったのがすぐに分かります。」

そう言いながら音央と鳴央が手を差し出し、一輝は片手ずつ二人の手をとって、引っ張り上げてもらう。

「で、どうだ?俺の存在、まだ危険な状態だったりする?」
「・・・いえ、問題ないかと。今の状態であれば、十分に安定しています。」

スレイブからそう返事をされたことで、一輝はようやく、自分の足で歩きだす。

「んじゃ、行くか。」
「ええ。」
「はい。」
「分かりました。」
「レッツゴー!」

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