第二章
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た。
「果たし状なんだよ」
「果たし状!?」
冬樹は果たし状という言葉を聞いて顔を一瞬のうちに険しくさせるのであった。
「それは本当なのか」
「幾ら俺でも嘘で果たし状を届けたりするか」
彼はこう言って冬樹を安心させるのであった。そうして懐からその手紙を出して来る。見れば白い紙に包まれておりその表に丁寧に毛筆で果たし状と書かれていた。
「ほらな、本当だろ」
「そうだな」
見ればその通りであった。確かに果たし状に間違いなかった。
「それで誰からなんだ」
「さてな」
この質問にはとぼけるのであった。
「見たことのねえ奴だったな」
できるだけ目を泳がさせないようにして冬樹に告げる。この目を泳がさせないようにするというのが充の今回最も苦労した点であった。
「悪いけれどな」
「そうだったのか。では他の学校か」
「場所は遊園地の入り口らしいぜ」
「遊園地!?」
「そうさ、そこの入り口だってさ」
そう冬樹に語る。
「そこで次の日曜の朝に待ってるって話だぜ」
「そうか、遊園地なのか」
冬樹はそれを聞いて大きく頷いた。
「そこで決闘か」
「そういうこtだ。それでいいよな」
「僕としては場所には異存はない」
その暑苦しいまでの気迫を見せて充に告げる。
「何処でも。そして何時でも誰でも」
「相手にとっては不足はないんだな」
「僕は誰の挑戦でも受ける」
一世を風靡した華麗かつダーティーな闘いを魅せた魔性のレスラーのような言葉を口にする。本来ならば彼以外の何者をも言うことが許されない言葉であったがこの時だけは違っていた。
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