第一章
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の子である。その彼女に彼女よりは少し低いショートヘアの女の子が話し掛けていた。クールな印象で醒めた目で表情がない。だが白い肌で人形のように整った美貌を持っていた。目に表情がないのがやけに印象的であった。
「今日だけれど」
「何だよ」
美麗はその少女鈴木由佳に少し目を顰めさせて声をかけていた。
「時間あるかしら」
「そりゃ今日はやることやったしさ」
美麗は少し考える顔になって由佳に答えた。
「あるけれど」
「じゃあ付き合って」
「付き合うってあんたにか」
「ええ」
由佳は声だけで美麗に答えるのであった。
「いいかしら」
「変な話題じゃなければいいぞ」
美麗はそう前置きしてきた。
「別にそうじゃないよな」
「さあ」
「さあっておい」
今の由佳の言葉にはすかさず突っ込みを入れる。
「何なんだよ今のは」
「とにかくいいのね」
また前置きしてきた。美麗の言葉は置いておいて。
「今日」
「ああ。じゃあ場所は何処なんだ?」
「喫茶店よ。駅前の」
そう美麗に告げる。
「そこでいいわね」
「そこでいいぜ、あたしもあの店好きだしな」
「わかったわ」
こうして二人は喫茶店に入ることにした。店はやたらとおばさんが多い。何かやたらと乙女チックな内装の店で色はピンクを基調としている。店員さんもピンクハウス調のメイド服だ。ただしマスターはスキンヘッドのいかつい大男である。しかもグラサンまでかけているという実にアンバランスな店であった。
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