第二章
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っとな」
「彼女でもできたか?」
修一もやって来て彼に声をかける。生樹も来ていた。
「何なら占ってみるか?」
「いや、別にいいけれどよ」
そう皆に返す。しかしどうにも浮かない顔をしたままであった。
「それは」
「そうか。しかしな」
生樹は彼の顔を見て言う。
「面白いことになりそうだぞ」
「面白い?」
「そうだ、顔を見ているとな」
「顔相か」
聯はそれを聞いて述べる。
「そうだ。御前は一つのことに捉われている」
「うっ」
「女の子の下着姿でも見たんじゃないのか?」
「な、何言うんだよ」
「図星か」
修一はヤマをかけたがそれが図星だったと知ってニヤリと笑ってきた。
「これはまた」
「それで相手は誰なんだ?」
聯が彼に問う。信次の後ろに立っている。
「それはちょっと」
「よかったら言ってみろ」
「いや、それでもよ」
「清心だ」
ここで彰がやって来て言った。
「おい、浜崎」
「いいだろ?隠しても何にもならない」
「けれどよ」
「清心かよ。これはまた」
修一はそれを聞いて目を丸くさせていた。見れば聯も生樹も同じ顔をしている。
「あのお嬢様学校に。それに御前が」
「誰か好きになって駄目なのかよ。っていうかよ」
信次は修一のその言葉に対して言い返す。口が少し尖っていた。
「どうすりゃいいんだ」
「簡単な話だな」
聯がまた後ろから言ってきた。
「言うしかないだろ」
「言うしかないっていうと」
「アタックしかないな」
彰がそう述べてきた。
「俺だったらそうするな」
「御前とは違うよ」
信次は彼に言葉を返す。
「そんなことできるかよ」
「いや、悪くはないな」
しかし生樹は彰のその言葉に賛成してきた。
「見たところ御前恋愛運開けてるからな、最近」
「俺の顔にそう描いてあるのか?」
「そうだ」
はっきりと答える。淡々とした口調だがそこには確固たる自信があった。
「前に進めばいい。それも一直線にな」
「そうだな。浜崎の言う通りだ」
「いいんじゃねえの?それで」
聯と修一も賛成してきた。
「やってみろよ」
「ふられたらその時はその時だ」
二人はまた言う。これは結構無責任な言葉であった。
「やってみろ。駄目で元々だと思ってな」
「勝手なこと言ってくれるなよな、御前等」
仲間達のそれぞれの言葉にそうは言っても実は悪い気はしていない。彼はかなり単純明快な男なのでそれに乗ってきたのだ。しかしそれをすぐに実行に移すとはさしもの聯達も想像してはいなかった。
「なあ」
修一は今清心女子学園の正門の前にいた。正門の前の喫茶店の壁に隠れて正門を覗き見ている。他の三人も一緒だ。壁から顔を出して四人縦に並んでいた。
「本当にすぐに動くとはな」
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