3話:トキワの森の主
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食らわせ、さらに追い討ちを掛けようと迫ってきている。
「ふ、普通に速いじゃないかあのおデブ!??」
「ビガーーー(おデブいうなーーー!!)」
「おいムシ子もうお前は黙れ!!」
さらに敵を怒らせてどうする。手に付けられない闘牛かよ、あのピカチュウ。
しかし、だ。こんな序盤で俺たちに敗北は許されないのだ。
「サンダース立て! 来るぞ!!」
「ギャ、ウ……」
ダメージは深刻だ。
でも俺のサンダースは立った。まだ戦える。
「サンダース、跳んで躰せ!!」
「ギャウ!!」
「ビカッ!??」
ギリギリのタイミングで攻撃を躰されたピカチュウは木と激突した。
凄い衝突音がしたが怯んでいる暇はない。
「よし、隙を見せたな?」
木との衝突の反動で頭を抑えるピカチュウ。
反対の手でまだポテチを持ってやがる。
四つのワザのうちの披露していない残り一つのワザでは効果いまひとつだろうから、やっぱりトドメはアレしかない。
「賭けだ、サンダース。お前の本気を見せてやれ、【10まんボルト】だ!」
もう小細工はやめだ。倒せなかったら俺たちに勝利はないがな。
タイプ一致から繰り出す必殺。たとえ相手が同じタイプだからといって普通にダメージは強烈だ。
そして、ゲームと違ってこのリアルな世界では気合や根性や本気という言葉でポケモンはさらに強さを見せる。
「ギャウギャウ!!(楽しかったわ、またバトルしましょう。おデブ)」
「ギガーーー!!?(だから俺はデブじゃねぇぇええええええ!??)」
ポッポをオーバーキルするほどの【10まんボルト】だ。
本気で放ったサンダースの一撃にピカチュウは耐え切れずに、ピカチュウはポテチの袋を手放し戦闘不能になった。
「……今までの中で一番強敵だったな」
「ギャウ……」
「よくやった、サンダース。戻ってゆっくり休んでくれ」
「ギャウ!」
戦闘を終えて安堵したせいか、地べたに座りこんでしまった。
ふと、少し離れたところで倒れているピカチュウに目をやる。
「ピカチュウってあんに強かったんだな……」
正直彼らの戦闘力をナメていた。
「いや、あのピカチュウが普通じゃないだけだと思うよ。さっき見せた俊敏性も人間からそのポテチを盗むために身につけた技術だろうし……」
「……たくましいな」
そんなピカチュウがもう復活してらっしゃる。
「ビカッ……」
すでに息切れして立っているのも限界って感じだが。
奴はポテチの袋を再び手に持ち俺に近寄っては、
「ビ、ビカ……(ポテチが散らばったから新しいのくれ)」
確か
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