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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第112話 友との決別
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探ることを強く決心した。共生の道を模索する以上、それを破綻させる者、互いの信頼を踏みにじる者を私は絶対に許さない。私が幽州の民と烏桓族の共生を実現させてみせる」
 「これ以上、話しても平行線です」
 白藤は剣を鞘に戻し、私に向き直りました。
 「わからないなら何度もでも話すまでだ」
 「それで烏桓族が反乱を起こしたらどうなさいます」
 「二度目はない」
 私は白藤に迷うことなく告げました。
 一度目は許したが、二度目はない。
 幽州の民は許さないだろう。
 そのときはただ反乱を行なった者を粛正するしかない。
 今度は許さない。
 「あなたに出来るのですか?」
 「世を乱す者は粛正する」
 「あなたは世を乱す者を許されたではありませんか?」
「私は烏桓族との共生を望む。だから、今回は許した。二度目はない」
 「二言はございませんか?」
 「この私の命に掛けて」

 白藤は少しの間、私を真剣な表情で真っ直ぐ見据えていました。
 「正宗様、失礼します」
 白藤は私を「正宗」と呼ぶと拱手して踵を返して去っていきました。
 彼女すら説得できないのなら、白蓮を説得するなど夢のまた夢だな。
 自分の力の無さを痛感しました。
 本当に私は無力だ。

 「一つ忘れておりました」
 白藤は歩みを途中で止め、私の元に戻って来ると腰につけた剣を私に差し出しました。
 「これは?」
 私は白藤の行動に合点がいかず訝しみました。
 「これは幽州の民と私の感謝の印です。あなたと私はやり方が違いますが、幽州の民の未来をより良きものにしようと尽力してくださいました。この剣は祖母が私に残した形見でなかなかの業物です。あなたのご身分には似つかわしくないかもしれませんが、これが私の気持ちです。どうぞお受け取りを」
 「ありがたく受け取らせて貰う」
 白藤の申し出を拒否するこは出来できませんでした。
 彼女は彼女なりに幽州の民を慕っているのだと思います。
 それに私に形見の剣を渡したということは心で納得できずとも、幽州の安寧を望んでいることの証と思います。
 「それでは」
 白藤は短く言うと次は振り向くことなく去っていきました。
 私は彼女の後ろ姿が見えなくなるまで見送りました。

 結局、私は幽州去るその日まで白蓮と話す機会を得ることはできませんでした。
 私は幽州を去る日に白蓮へ文を届けさせました。
 返事が返ってくることは期待していませんでしたが、何かしなければいけないと思いました。
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